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ウラは、笑うときだけ少し声が高くなる。
でも、わたしはその顔を見たことがない。
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いまも神社には、ウラがいる。
今日も燻製ビーフを持って、わたしは話をしに行く。
風が、木々を揺らす音がする。
賽銭箱の向こうで、ひとつ息がこもる。
「……来たな、小娘。よい香りだ」
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