夜中の1時過ぎ。
ナツキはベッドに寝転がりながら、YouTubeを流していた。
おすすめに上がってきたのは「絶対に再生してはいけない動画」と題されたホラー動画。
サムネには黒い井戸と白く笑う口元だけが映っている。
「男が観ると呪われるっていうけど、どうせネタでしょ」
そんな軽い気持ちだった。怖がりではないし、むしろちょっと刺激が欲しかった。
彼氏とも最近別れたばかりで、鬱屈した何かをどこかで晴らしたかったのかもしれない。
動画は古びた公園の映像。
中央にある井戸にカメラが寄っていく。画面が揺れ、ノイズが混じりはじめる。
無音のまま、映像は歪み、井戸の中から何かが覗く。
――それは、口だった。
白く、艶やかで、女のものとは思えないほど大きい。
笑っている。でも、その笑みの中に、なぜか悲しみが混ざっていた。
ナツキはふと、体の奥が熱くなるのを感じた。
自分でも理由がわからなかった。ただ、無性にその“口”から目を逸らせなかった。
やがて画面が真っ暗になり、何の警告もなく動画は終了した。
「……なにこれ、気持ち悪……」
そう呟いて、スマホを枕元に置き、ナツキは眠りについた。
どれくらい眠っていたのかはわからない。
気がつくと、ベッドの中で体が金縛りのように動かない。
「っ……なに……?」
声も出せない。目だけが動く。部屋は真っ暗。
けれど、ナツキは“気配”を感じていた。
布団の中に、誰かがいる。
温かい何かが、脚の間をゆっくりと這っていた。
柔らかく、濡れていて、まるで――舌。
「やだ……やめて……!」
声にならない悲鳴。だが、身体は逆に熱を帯びていく。
下腹部がじんじんと疼き、背筋が反りそうになる。
けれど、それは快感だけじゃない。
深く、痛みを孕んだ舌の動きだった。
























んだよ!本番なしかよ!金返せ!