二人の靴音が狭いトンネル内を反響していた。
天井から染みてきているのだろうか。
あちこちから大粒の水滴が落ちてきては弾け、ポターンポターンという気味の悪い反響音を響かせている。
真ん中辺りまで来たところで突然、絢子が立ち止まった。
「どうした?」
是枝も立ち止まり、彼女の白い横顔に向かい尋ねた。
すると絢子が「あれ、何だろう?」と、ある方を指差す。
彼は懐中電灯でそこを照らした。
そこは右側の歩道。
たくさんの花束やぬいぐるみ、お菓子などが固めて置かれている。
恐らく被害者の方々への弔いだろう。
二人はその前に並び、しばらく合掌した。
そしてそろそろ歩こうか?と是枝が言いかけた時だ。
※※※※※※※※※※
「何か聞こえない?」
再び絢子が呟き耳を澄ます。
つられて是枝も同じように耳を澄ました。
……
辺りはシンと静まり返っていた。
たまに聞こえてくるのは天井から落ちてくる水滴のはねる音と、降り続く雨音。
「いや何も聞こえないけど、どんな音がするの?」
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今後のご活躍を楽しみにしています
怖話の頃からの読者の方ですね
わざわざ来ていただき、ありがとうございます
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今後もあげていく予定ですので、また時間のある時とかに読んでいただくと、光栄です
━ねこじろう
めっちゃ怖くて面白い
怖がってもらえ、光栄です
─ねこじろう