神妙な顔をして目を閉じている絢子に、是枝は再び尋ねる。
「分からないけど、何かテレビの砂嵐のようなノイズ音……」
「砂嵐?
あの『ザーー』という?」
「うん。
でも、ごめん、やっぱり私の空耳かな。
行こ、行こ」
そう言うと絢子はまた歩き始めた。
だが数歩進んだところで、また絢子が立ち止まった。
「どうした?」
是枝が横に並び、声をかける。
彼女は目を大きく見開きながら
「あれ……」と、
震える指先を出口の方に向けていた。
何だろうと、恐る恐る是枝もそちらに視線を移した。
100㍍ほど先にはアーチ型の出口があり、外では薄闇の中雨が降っているだけだ。
「何が見えるんだ?」
怯えたような彼女の横顔に彼は尋ねる。
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ねこじろうさんの作品のファンです。以前のサイトがなくなってから探してこのサイトでやっと見つけました。
今後のご活躍を楽しみにしています
怖話の頃からの読者の方ですね
わざわざ来ていただき、ありがとうございます
現在はこちらのサイトに作品をアップしております
今後もあげていく予定ですので、また時間のある時とかに読んでいただくと、光栄です
━ねこじろう
めっちゃ怖くて面白い
怖がってもらえ、光栄です
─ねこじろう