━不快な砂嵐音のあと聞こえてきた、不気味な男の声。
男は確かもう諦めろよと言った。
あれはいったいどういう意味だったんだ?
それとも単なるイタズラ電話?
ただあいつは絢子の携帯からかけてきたんだから、間違いなく今回の失踪には何らかの形で関わっているはず、、、
とにかく明日には警察に報告しよう。
※※※※※※※※※※
やがて是枝はJR線高架下のトンネルに入る。
ここを抜けると、自宅アパートはもうすぐだ。
コツン…コツン…コツン…コツン……
暗いトンネル内を是枝の靴音が響いていた。
それからトンネル真ん中辺りまで来た時、右側に何かの気配を感じた彼は思わずそちらに目をやる。
そしてアッと息を飲んだ。
トンネルの白い側壁の目線辺りに、ボンヤリ人の顔らしきものがある。
それは青白く霞んでいるが、間違いなく絢子だった。
彼女は両目を大きく見開き口を開いてから懸命に何かを伝えようとしているようだ。
是枝は黙り、彼女の口元に意識を集中する。
ようやくかろうじて言葉が確認出来た。
「に………
に………げ…………
にげて………」
「え……逃げて?」
是枝が言うと絢子はこくりと頷く。
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今後のご活躍を楽しみにしています
怖話の頃からの読者の方ですね
わざわざ来ていただき、ありがとうございます
現在はこちらのサイトに作品をアップしております
今後もあげていく予定ですので、また時間のある時とかに読んでいただくと、光栄です
━ねこじろう
めっちゃ怖くて面白い
怖がってもらえ、光栄です
─ねこじろう