その間、彼は何度か問いかけたがやはり返事はなく、奇妙な砂嵐の音のみが続いている。
それからどれくらいが過ぎた頃か、それに被さるように見知らぬ男の声が聞こえてきた。
それはまるで、ラジオの電波が混線したときのDJの声のような、聴き取りにくくて不快な声だ。
ザーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
………あ………あ……んた
ザーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
…………
も……う…………
ザーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あ……
き……
らめろよ…………
是枝は必死に問いかける。
「もしもし!もしもし!
あんた、誰だ!?
もしもし!もしもし!
誰なんだ!?……」
いつの間にか電話は切れていた。
暗闇の中、彼は携帯を耳にあてたまま呆然としていた。
※※※※※※※※※※
翌日の午前中大学で講義を受け午後からコンビニのバイトを終えた是枝は店を出ると、いつものルートで自宅アパートに向かう。
薄暗い歩道をとぼとぼ歩きながら、彼は昨晩のあの電話のことを思い返していた。
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ねこじろうさんの作品のファンです。以前のサイトがなくなってから探してこのサイトでやっと見つけました。
今後のご活躍を楽しみにしています
怖話の頃からの読者の方ですね
わざわざ来ていただき、ありがとうございます
現在はこちらのサイトに作品をアップしております
今後もあげていく予定ですので、また時間のある時とかに読んでいただくと、光栄です
━ねこじろう
めっちゃ怖くて面白い
怖がってもらえ、光栄です
─ねこじろう