そしてある日の晩のこと。
ぼくは座敷真ん中の座卓でご飯を食べていた。
目の前の床の間には、ちりめん柄の着物を羽織る母が座布団に座っている。
母ももう今年85で、
豊かだった総白髪の髪も今はもう半分以上失くなり顔色はどす黒く頬は痩け、項垂れている。
ご飯を終えると改めて床の間の前に正座し、母に言った。
「母さん実はぼく、恋人が出来るかもしれない」
今年55になるぼくからの突然のカミングアウトにも俯いたままだ。
母に近づき耳をそばだてる。
「ん、、、ナニナニ?
いつ会わせてくれるのかって?
もう少し待ってよ。
近々ここに連れてくるから」
そう言ってその筋張ったか細い手の上に自分の手を重ねた。
※※※※※※※※※※
もともとうちは肉屋をやっていた。
古い商店街の外れにある二階建ての小さなビル。
一階は店舗そして二階は住居なのだが、五年前に父が亡くなった後は店を閉め、それからは母と二人二階で暮らしている。
生活の糧は母の年金だけだ。
母は独り身のぼくのことだけが気がかりみたいで、ことあるごとに早くしっかりした女性を嫁にもらえとぼやいていた。
もちろんぼくもそれなりの努力はしてきたつもりだ。
これまで二人の女性をここに連れてきて母に紹介したこともある。
めぐみちゃんとあやちゃんだ。
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こわかったよー 。学校のタブレットでみてます。
コメントありがとう
━ねこじろう
こわいです
私もタブレットで‥
わたしもー
俺も、、、
おいおい、仲間しかいねえじゃねえかよ、俺も。
わたしも。。
僕も〜
俺もー
私も学校のタブレットで見てるwww
おれも
私も、、、、
オイラも
私も