いつも決まった曜日の夜。決まった時間にいつも来ていたお兄さんの車が見当たらない。1週間、2週間、1ヶ月。仕事を辞めたのか?異動になったのだろうか?それとも事故や急病に?と言う考えと一緒に「まさか、あの話の…」という考えがよぎった。
ここ最近、姿は全く見かけていない。
車の有無を確認してから喫煙所に向かう。今日も来ていない。どうしたのだろうか?
無人の喫煙所に入りタバコを取り出すと誰かが入ってきた。さりげなく顔を向ける。
その時、体が動かなくなった。金縛りのように身体が固まる。
女性が近づいてきた。声も出せない。喫煙所内のタバコの匂いが目の前の近づいてくる女性の香水の匂いに変化した。顎に手を当てられ顔を少し上向きにされ女性と目が合う。ロングヘアの顔立ちの整った、とても綺麗な女性だった。
ネックウォーマーを下げられて首筋を撫でられた。右肩に手を掛けられる。
次の瞬間だった。首筋を撫でていた手を離したかと思うと急に喉を思い切り掴まれ、首を絞められていく。
身動きは取れない。息ができないのに両手は動かない。意識が飛びそうになったその時だった。
「あら?もしかして……」
女性の手の力が緩み、そのまま床に倒れ込んだ。ゲホゲホと咳をして逃げようとしたが
「失礼するわね。」
身体を起こされ床に座るような形にされる。背中は喫煙所の壁に張り付いたようになり、手首から先は動かせるようになった。
すると、女性が私の顔に付けていたマスクを下にさげる。一方の手で胸元に触りもう一方の手はネックウォーマーの下から手を入れて喉を触ってきた。
「あら、ごめんなさい!貴方…女性だったのね!」
そう言うと私の頬を撫でる。私の右手に持ったタバコの箱を取ると1本のタバコを取り出して咥えて火をつけ、煙を吐き出した。そのタバコを私に咥えさせた。
























あるいはこの女性はサキュバスか何かなのでしょうか?