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不思議体験

たちさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

私が守護霊
長編 2025/03/12 23:07 4,922view
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「それからというもの、守護霊に守られてると思いながら生活をしていた。私には強い守護霊が憑いてる!私は最強だ!と思うようになっていた。だけど、そうじゃなかった…

ある日、久々に幽体離脱してる時にいつもなら自分の身体に戻り、朝になって目覚めるはずが身体に戻れなくなったんだ。
私は焦った。
私の解釈では、魂が抜けているようなものでそれが本来あるべきとこにないと、私は死んでいるのではないかと。
だけど、違った。
朝になり、起床する時間なったら私の身体は私の意思もなく起き上がって普通の生活をし始めた。混乱した。パニックになった。だけど、目の前では普通に私が行動している。
訳がわからないまま私の身体は登校し、学校生活を過ごし始めた。私は自分に付いて周り、見守ることにした。夜になれば戻れるかもと思っていたから。
1日の生活の中で、私自身にピンチが訪れると自ずと反応してしまい、私自身を守っていた。
そして、夜になり就寝した。
私はこれで身体に戻れると勝手に決めつけていた。だが、そう簡単にいかなかった。
朝になり、昨日と同じように私自身に付いて周っている。
いつかまた幽体離脱する日がくる。その時がチャンスかも。と思うようになっていた。」
私と谷地はもうすっかりおじさんの話釘付け。
黙って続きの話を聞いていた。

「だけど、その思いは突然崩れた。
見守っている私が独り言を言い始めたんだ。
「悪いけど、もう返さないよ。」と。
初めはどういう意味か理解できなかった。
それを聞いてからまもなく、普通の人間には見えないであろう私の姿をジッと見つめる人物が現れたんだ。その人は私を見つけると近づいてきて、「あなた、このままだと戻れませんよ。」
その言葉を聞いて、ようやく全て理解した。
それと同時に絶望感に包まれた。
本来、私を護ってくれる守護霊が私自身と入れ替わり、守護霊が身体を乗っ取ってしまったのだ。」

「え?入れ替わったってこと?」と聞くと、おじさんは頷いた。
私はアニメとか漫画でよくある設定のように感じてしまった。

「これでこの話は終わり!ゆっくりして行ってね。」と言い残し、おじさんは部屋を出て行った。
残された私達はしばらく何も言わず、無言の時が流れた。
ふと、窓の外を眺めると夕方になっていたので、「そろそろ、帰るね。また明日遊ぼう。」と言うと、
「え?うん…また明日ね。」と小さな声で返事をした。

その日の夜、自宅に電話がかかってきた。
谷地からだった。
「どうしたの?」
「なぁ、昼間の話。どっちだと思う?」
「どっち?何が?」
「父さん、本物の父さんか?それとも…」
私は谷地の問いの意味を理解したと同時に一気に恐怖が襲ってきた。
確かに、おじさんの話では、身体を取り戻した。というは聞いていない。となると…
いやいや!さすがに取り戻しているでしょ!と自問自答していた。
「大丈夫じゃない?おじさんが子供の頃の話でしょ?さすがにもう…」
「そ、そうだよな。そうだな!ごめんな!変なこと聞いて。じゃあ、また明日な!」
と言い、電話を切ってきた。
それ以降、おじさんとは会っていない。
谷地とは高校が別々になってからは連絡をとっていない。今、どこで何をしているのかもわからない。
そして、おじさんも本物おじさんなのか、はたまた、守護霊なのか他の霊なのかわからないが入れ替わったままなのか、未だにわからない。

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コメント(2)
  • 怖いよ。

    2025/03/13/05:08
  • 仮に入れ替わったままだとしても、それはそれで怖い。

    2025/03/29/19:38

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