この話は私が北海道に出張で行った時に聞いた話です。
仕事の関係で約1か月ほど北海道にいることとなった私は仕事とホテルの行き来を繰り返す生活を送っていました。
そして、仕事を無事に終え、最後の週末に仕事関係の方と食事に行くことになりました。
「1ヶ月間、お疲れさまでした。」
「いえ、こちらこそお世話になりました。」
「今度はご家族と一緒にいらしてください。まだまだ美味しい食べ物たくさんありますので。」
と会話をしながらお酒を飲み、食事をして楽しい時間を過ごしていました。
お酒も進み、話題は仕事とは無関係の内容に。
「後藤さんは、心霊とか信じますか?」
「そうですね〜。信じますね。話を聞いたり、テレビの番組で観たりするのは昔から好きでしたし。」
「そうですかー。実はね、心霊とはまた少し違うかもしれないんですが、ちょっと不思議なことが昔ありましてね。」と話始めた。
「昔、私がまだ30代の頃、同居してた祖母が亡くなりましてね。長生きはしたんですが、昔から一緒に住んでるのでさすがに寂しくてね…まぁ、仕方ないことなんですが…祖母にもう少し恩返しとかできたらなーって当時は思ってたんですよ。それで、祖母が亡くなってから半年ほどすると自宅の中で奇妙なことが起こり始めましてね。誰もいない部屋から物音がしたり、着けていた部屋の電気が切れたり、ちょっとしたことなんですが、そういうのが続いたので、私は祖母が何か心残りがあるのかな、と勝手に思ってしまって…特に家族には害はなかったんですがね。」
私は隣で静かに話を聞いていた。
俗に言う、ポルターガイスト現象が自宅で起こった話かなと思いながら話を聞いていました。
「気になった私はいろいろなツテを使って、霊感というかそういう能力がある人にお願いして、祖母の霊を降ろしてもらって話をすることにしたんです。イタコって知ってます?ああいう感じですね。
そして、霊能力のある方の自宅を訪れ、祖母を降ろしてもらうようお願いしたんです。そして、儀式というかお経のようなものをその方が言い続けていると、様子が突然変わり、祖母の口調に変わったんです。
私が、ばあちゃんか?と尋ねると、そうだ。と答え、祖母が仲の良かった方の話や家族の話をし、安心させようとしました。
祖母はうん、うん、と頷きながら時折、あの人はどうだ?孫はどうだ?と尋ねてきたんです。
これで自宅での異常現象は収まると思いました。そして、最後に祖母が、
「それで、お前は?」
と言ってきました。私は何のことかわからず、とりあ、「俺は元気だよ。」と答え、終了したんです。」
「その後、ご自宅はどうなったんですか?」
と尋ねると、
「それがですね…良くなるところか酷くなりました。」
「えっ?酷く?違う原因だったんですか?」
「私も当時は何が原因かわかりませんでした。
なので、もう一度、祖母と話をしたくて霊能力の方に無理を言ってお願いしたんです。そしたらその方が、「そこまで言うのなら…わかりました…ただ、私はあまりオススメはしません。あと、本心を言った方がいいと思います。」と言われました。
そして、しばらくして、祖母が霊能力者の方に乗り移り会話が始まったんです。
「ばぁちゃん、何か心残りがあるのか?気になることがあるなら教えてくれ!」と私は言いました。5分程して、
「お前はどうだ?」と前回も同じことを言ってきたので「俺は元気だ!」と答えても何か違うような気がして、霊能力者の方が言ってた本心ということを思い出し、「亡くなる前は介護だ、病院だ、で大変だったよ!今は楽な生活をしてるよ!」と言ったんです。すると、
「ふ、ふふっ、あはははははははははは」
と笑い出したんです。しばらくその状態が続き、「それが聞きたかった」と言い残し終了したんです。」























お婆ちゃん何がしたかったのか