私が小学生の頃はお昼の番組で心霊コーナーがあり夏休みは欠かさず祖父母と一緒に見ていた。
心霊番組の特番があれば、家族で見るのがお決まりになっていた。しかし、30年経った今では全くといっていいほど心霊番組を見なくなった。というか、心霊番組を私自身が避けるようになった。
あの日を境に…
私が20代の頃、相変わらず心霊番組や怪談話が好きだった。
実話か作り話かわからないがどちらにしろ私自身は楽しんでいた。
身内では霊感が強い人はいなく、私自身も全く霊感はなかったので、番組を見ては、
「こんな怖い思いするなら、霊感ない方がいい!」と思っていた。
そんなある日、会社に霊感があるという人が入社してきた。
色々な体験談を聞いたいる流れで、霊はどのように視えるのか聞いてみた。
「人間のように視えるんですか?」
「うーん、まぁ、そうだね。ハッキリわかるのもあればボンヤリしているのもあって、視え方はいろいろだね。」
「そうなんですねー!人間のようにハッキリわかるなんてすごいな…」
身近なところに霊感がある人がいて、いろいろな話を聞けて楽しく、その人とはすぐに打ち解けた。
「でも、霊感があることが良いこととは限らないけどね…」
その一言が妙に記憶に残った。
数ヶ月後。
ある休日に当時の彼女、今の妻と出かけていると、突然、後頭部を指でトンっと突かれた。
不意に突かれたので、思わず、
「あ、痛っ」と反射的に言ってしまった。
すぐに後ろを振り返るが近くには誰もおらず、少し離れたところに後ろ姿だけが見えていた。
「どうしたの?」
「頭を突かれたような…」
「気のせいだね。行こう。行こう!」
その後は特に気にすることなく過ごした。
数日後、出勤前にコンビニ寄り、車から降りるとふと、駐車場の隅に立つ女性が目に入った。
白いTシャツで長いスカート。しゃがんで地面を見つめている。
買い物を済ませ、車に乗り込み、女性がいた場所を見ると女性は姿を消していた。
数週間後。前回と同じ時間帯に同じ場所で女性を見かけた。全く同じ光景。そして、すぐに姿を消す。
このような光景を数日開いて、長い時だと数週間開いて目撃した。
季節は流れ、秋が深まってきた頃も同じ格好で女性は駐車場の隅でしゃがんでいる。
「変わった人だな…寒くないのか?」
そんなことを思いながら車に乗り込み、駐車場を出ようとした瞬間、激しい頭痛に襲われた。
すぐに駐車場内に車を止め、目を閉じ、頭を押さえながら、頭痛が治るのを待っていた。
すると、瞼を閉じている状態なのに、何かがうっすらと見えてきた。
「は?目を閉じてるのに、何か見えてきた。」
わかる人にはわかると思うが昔のホラーゲームで相手の視界をジャックするというのがあったがそれに近いような感覚。
「ジャックしてんじゃん。誰かの視界?」
私は勝手にジャックしてると思い込んでしまった。
すると見えてきたのは、アスファルトに指で何かを書いている映像?視界?だった。
ガリガリガリ
アスファルトに爪で書いてるようで、爪が擦り減る音が聞こえる。























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