Aの唐突な言葉に彼は少し動揺しながら「なんでだ?」と返す。
すると細い目で大島を憎々しげに睨みながら、続ける。
「あんた、言ってたよな。
大丈夫、死刑は免れるようにするからって。
俺、あんたの言葉にすがりついて頑張ったんだけどな、、、結果はこのザマだ。
なあ、いったいどうしてくれるんだよ!」
大島はAの言葉に返す言葉がなかった。
Aは続ける。
「フフ、、まあいいや。
まあ、
いづれあんたにはこの落とし前を付けさせてもらうから、、、
いづれな。
ああ、そう言えば、
ここにたまにくる生臭坊主が偉そうに言ってたんだけどな。
人間は死んだらあの世というところに行くんだとよ。
そこは綺麗な川が流れててあちこち鮮やかな蓮の花が咲いていて、すごく素敵な場所なんだと、、、
ハハハハ、、笑わせてくれるよな。
俺はな先生、絶対そんなところにはいかねえよ。
いや行けるはずねえよな、俺みたいなことをやらかした輩はな。
だからあの世にも行き場のない輩は、結局この世を漂うしかねえもんな」
判決から2年後、Aの執行は行われた。
執行の時彼は特に抵抗することはなく、妙に晴れ晴れとした様子だったらしい。
大島は思った。
━もし息子の凶行がAの邪悪な魂によるものだとすると、、、
このままだと、また第三第四の犠牲者が生まれてしまうだろう。
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なんでだろう、気が狂ってる死刑囚もいるな
宮崎勤かと思ったけど、年齢も刑までの執行機関が違うから別のかな
多分、別の死刑囚ではないかと。
年齢もそうですが、宮崎さんとは
また違った気配ですね。
コメントありがとうございます
─ねこじろう