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呪い・祟り

ねこじろうさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

かつて弁護士だった死刑囚の話
長編 2025/03/01 07:26 30,865view
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【キツネ目で口の端っこに傷】

息子のこの言葉に大島は衝撃を受けた。

そして次の瞬間、彼の脳裏にある男の姿が浮かんだ。

そいつは前年の春先に死刑執行された、連続女児殺人犯のA。

それは平成の中頃の事件だった。

Aは小学生の女児ばかりを三人林の中で殺害する。

その全てが白いタオルを使っての絞殺だった。

そしてその後、間もなくして逮捕される。

口元の傷は三人めを襲った時に負った傷。

大島は長らくこの男の刑事弁護を担当することになる。

Aは当時二十歳だったのだが、その話し方や話す内容はまるで小学生高学年くらいのものだった。

そしていよいよ死刑判決が確定し勾留が決まった日に、接見室でAは怯えた目であの口元を歪ませながら大島にこんなことを言った。

「先生、ぼく、、ぼく、、
すごく怖いんだ。

だってぼく死んじゃうんでしょ?

首を吊られて死ぬんでしょ?

やだよ、、やだよ、、

ぼく、、

まだやりたいことがあるのに、、、

まだこの世界にいたいよおお」

大島はAの身勝手な言葉に愕然とする。

そして改めて気付かされる。

この男には自ら手を掛けた3人の女児に対する後悔や懺悔の気持ちなど一欠片もないのだと、、、

それからAはしばらく涙に暮れた後、突然立ち上がると透明のアクリルボードに白い顔を押し付ける。

そしてその吊り上がった細い目で大島を睨み、あの傷のある口元を歪ませながらこう言った。

その声はさっきと明らかに違う野卑で下品な大人の男の声だ。

「先生よう、
あんた、嘘つきだな」

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コメント(4)
  • なんでだろう、気が狂ってる死刑囚もいるな

    2025/03/01/11:24
  • 宮崎勤かと思ったけど、年齢も刑までの執行機関が違うから別のかな

    2025/03/06/18:26
  • 多分、別の死刑囚ではないかと。
    年齢もそうですが、宮崎さんとは
    また違った気配ですね。

    2025/03/11/00:07
  • コメントありがとうございます
    ─ねこじろう

    2025/08/15/09:10

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