創業家にまつわる怖い話
投稿者:jin (11)
短編
2020/11/22
00:38
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私はある企業ミュージアムの運営を担当しています。実は施設の前に創業時代からそびえ立つ大きな桜の木があります。昔から言い伝えで、この木をからしたものには、創業家の呪いがかかると言われていました。
そんな時、たまたま天候不順も重なり桜の木が病んでしまい、造園屋さんに処置をお願いせざるを得ないことができてきました。
もちろん、日々対応した上で、何となく気持ち悪いので早急に手配をしたつもりです。しかしながら、そのような配慮とは裏腹にトラブルが数件起こってしまいました。
まず、展示場の展示物が意味もなく倒れてしまったり、ガラスのショーケースが1カ所だけではなく複数カ所ヒビが入ったり、自動ドアからなぜかゴキブリが発生したりと言う連鎖的な状況です。
最も驚いたのは、勘違いかもしれませんが、夜になると創業家の皆さんの目が釣り上がって、現役である我々をにらんでいるように見えることです。
もちろん、この点に関しては確証があるわけではありませんが、個人的には間違いなくにらまれていると感じる次第でした。
本来ですとなかなか難しいのですが、これは由々しき事態だと判断し、お祓いをしてもらうことにしました。もちろん、桜の木のフォローも早急に行う上でです。
幸いなことに、このような配慮を行ってからは憂慮すべきような状況は起こっていません。この話は緘口令を敷き、とにかく悪い噂が立たないように、もみ消すことも大変な状態でした。
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