ツクモの怪談集【刀】
投稿者:四川獅門 (33)
長編
2021/03/20
15:18
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陰陽雑記に云ふ。 器物百年を経て、化して精霊を得てより、人の心を誑かす、これを付喪神と号すと云へり
『付喪神絵巻』より
壱【刀】
1960年代 場所は伏す。
村田さんの父親は、骨董品を蒐集していた。
ある日父親が買い付けて来たのは、室町時代の日本刀だった。
「赤い鞘の刀なんだけど、所々ドス黒く変色しててね。気味が悪かったよ」
その刀には、妙な逸話があった。
刀に顔を映すと、自分の死に顔が見えるそうだ。
「そりゃ私もお袋も怖かったよ。でも頑固親父だったから、誰も止められなかったんだ」
ある夜、夕食中に父親が妙な事を云った。
「刀に顔を映したが、何も映らん。ありゃ本物だ」
「ちょっとお父さん、止めて下さいよ」
村田さんは母が珍しく止めに入ったのを覚えているそうだ。
「今思えば、女の勘ってやつだったのかもしれない」
その夜、村田さんは夜中に目覚め、離れの厠へ行った。
用を済ませ、自室に戻ろうと廊下を歩くと、何やら小声で会話をするのが聞こえる。
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人形の話最後めっちゃゾクってした・〈=〉・