ツクモの怪談集【刀】
投稿者:四川獅門 (33)
長編
2021/03/20
15:18
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父親が、誰かとヒソヒソと話しているようだった。
父の部屋の襖から、ぼんやりと洋燈の明かりが廊下を照らしている。
村田さんは恐る恐る、その隙間から部屋を覗いた。
すると、父親が刀を手にして正座をしている後ろ姿が見えた。
「親父がボソボソと、何か言ってたんだ。刀と話してるようだった」
薄明かりに照らされる刀身に、父親の顔は映っていなかったそうだ。
これが村田さんが見た、父親の最後の姿だった。
翌朝、刀と共に父親が消えていた。
数日経って、浜に死体が打ち上げられた。
首の無い、男の亡骸だった。
首と刀は見つかっていない。
弐【人形】
1992年 東京都
当時小学生だった津田さんは、バザーで古い人形を見つけた。
たくさんのフリルが付いたボネを被り、青いドレスを着た金髪のフランス人形だった。
津田さんは一目惚れしてその人形を買った。人形はしっかりと作られている割に、300円と安価だった。
その人形にはボイス機能が付いていた。所謂トーキングドールだ。
しかし壊れていて、一言しか喋らなかった。
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人形の話最後めっちゃゾクってした・〈=〉・