玄関スコープを確認すると、強面の兄ちゃんが「おいィ!何時だと思ってんだコラァ!!!」とわめき散らかしてる。
落ち着け俺・・・。
ゆっくりドアを開け、「こんばんは、申し訳ありません!彼女と喧嘩しちゃっててぇ~」と取り繕ったが、強面兄ちゃんは「あぁ!?誰だテメェ!!○○ちゃんの彼氏と別人じゃねぇか!!!」と、まさかの友好的なご近所付き合いにより、秒でバレた・・・。
強面兄ちゃんは「どけ!!!!」と俺を突き飛ばし奥に入っていき、「大丈夫か!○○ちゃん!!テメェ何てことしやが・・・」と言った瞬間に俺は外に出て全力で逃げた。
何とか逃げ切った俺は、自宅のアパートにたどり着き・・「あぁ惜しかったなぁ・・・」と悔やみながら眠りについた。
翌日、バイト先のコンビニに「親が危篤だから辞めさせてほしい」と連絡を入れた。
本当は親なんていないし、履歴書の情報もほとんどデタラメだから、確認したければご自由にどーぞ。
時は過ぎ、今日。新たに引っ越したアパートで新生活が始まる。
前回のアパートから200キロくらい離れた所だし、しばらくはこれまでの行いが露呈する事はないだろう。
え?「なんでお前捕まらないの?」だって?
まぁ・・・住む所や、バイト先は、やらかすたびに変えてるけど・・・。
強いて言うなら、「人手が足りてなさすぎる業種」を選ぶ事が正解だと思う。
履歴書はほぼ虚偽の内容だが、いちいち確認しないような職場を探す。
運送業、引っ越し関係、外国人を多く雇っているコンビニなど・・・「未経験OK」な職場はだいたい身元確認が緩い。
アパートも、保証会社が入ってる所だと「連帯保証人」は要らないから、俺みたいな迷惑系強〇魔には打って付けの物件が多い。
そうそう、昨日バイト先が決まったんだぁ。
女子大が近くに有るんだよなぁ・・・楽しみだねぇ。
親切心で一つ、この話を読んでくれた君にアドバイスだよ。
「あなたが住んでるお家やアパートの近くに、ある日突然越してきて、良い人そうに見える奴。」
「あなたが働いてる職場に、県外から急にやってきてバイトで入った奴。」
こわ