ドリームボックス3.0
投稿者:kana (217)
「ぐあっ!・・・お、ま、え・・・何してんだっ!!」
作業員がその声にハッと気づくと、先ほど黒い子犬に突き刺したと思っていたナイフが、仲間のわき腹の辺りに突き刺さっていた。
あまりに唐突の事態に作業員はパニックになり、手にしたナイフを引き抜いた。
ナイフは肝臓を貫いており、仲間の作業員はとめどなく血を流しながらその場に倒れた。
床に流れた血は、他の犬たちが流した血と混じり、排水溝に落ちて行った。
ケージの中にいた黒い子犬はその時、まるで勝利宣言のように遠吠えを始めた。
するとどうだろう、今まで恐怖におののいていた他の犬たちも、一斉に遠吠えを始めた。
血の付いたナイフを持ったまま、茫然としている男を、今度は別の作業員が棒を使って殴りつけた。先ほど犬を叩きつけた棒で今度は人間の頭を叩きつけた。それを皮切りに、作業員たちがそれぞれに武器を持って争い始めた。
黒い子犬はケージの中でニヤリと笑っているような表情になっていた。
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「先ほど入ってきたニュースです。郊外にある犬肉処理場で作業員同士の暴動があり、死者も出ているもようです。現地から中継です」
「ハイ、こちら事件のあった犬肉処理場です。現在警察のパトカーが大挙押し寄せている状況で、規制線の中はまだ詳しい状況が確認できておりません。ただこちら、犬の遺体からなんでしょうか、吐き気を催すような異臭が立ち込め、現場は異様な雰囲気に包まれております」
・・・そんなニュースを、健康食品店に置かれたテレビで見ている男がいた。
店のシャッターが閉まるギリギリの時間に押し入り、強盗を働いた男だった。
店主の男をたった今、殺したところだった。
「警察があっちに気を取られてるウチに、さっさと逃げるとするか。俺は運がイイ」
そう言って強盗は取るものを取って闇夜に消えていった。
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2023年11月、韓国政府は「2027年までに犬肉産業を段階的に廃止する計画」を発表。
2024年1月9日、「食用を目的とした犬の飼育や食肉処理、料理の提供を禁じる」法案を全会一致で可決。
韓国の動物愛護団体は「動物の権利の大きな勝利」と歓迎する一方、食用犬を扱う業者からは「業者の損失への補償が準備されず、議論も不足している」と反発している。
法案の罰則条項は公布日から3年の猶予が与えられている。
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「悪魔の血を受け継いでいる」と噂されたクーシーの6匹の子犬たちは、
今もまだ、韓国国内にいる。
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