愉快なともだち
投稿者:あもれん (2)
私には愉快な友達が沢山いる。保育園の頃からずっと一緒で、悲しいときも辛いときも、幸せなときだって一緒にいた。
私はその中でも特にgという名前の子を可愛がっていた。gは少々内気だが優しくとてもいい子だった、でも一番遠いところにいてあまり話せる機会はなかった。
それでも私達は大の仲良しで中学生になっても一緒にいた。
部活、遠足、運動会、色々な思い出を写真には残さないけど、みんなと作った。
でもある日、私は家族とのトラブルで家のベランダから飛び降り自殺をしようとした。私が自殺しようとしていることに気づいたみんなは、私に詰め寄り「gさんを一人にしないで!」「gの気持ち考えたことあるの!?」と、怒号を浴びせた。
でも結局、私はベランダから落ちた。ただただ怖かった。泣きながら私の腕を掴み「なんで!なんで!」と泣き叫ぶ母。嫌な顔を野次馬。止まらない罵倒。たった一瞬の事だったけど、私はそれを一生忘れないだろう。
そして、その日からgさんはいなくなった。私が片付けた。そしたら、みんなgさんなんていなかったように私に接した。いつもの笑顔が戻ってきた。
私はそれがとてつもなく嬉しかったし、幸せだった。調子に乗りすぎた私は夜中、夜明けになってもともだちと喋り続けた。でも、中学生の子供が夜明けまで起きていて、学校をまともに過ごせる訳がない。だから、私は最近学校を休みがちになってしまった。
でもみんなは、そんな私を見ても「大丈夫、まだやり直せる」「気にしない気にしない。それより今はお話しよ」と、言ってくれる。
ただ、母はそんな私に文句を垂れ流している。そんな母に私は「お腹が痛いの」と言って言い訳をした。私は母が大嫌いで仕方がなかった。母が理由で私はベランダから落ちたんだし、母の事をともだちに言うと「それはアイツが悪い」「許せない。絶対将来痛い目にあわせてやる」と、私が思っている事と全く同じ事言う。
でもいつら頭の中で愚痴を言っても、母は私に相変わらず冷たい事を言う。だから私は相変わらず「お腹が痛い」と言い訳をする。こんな事をしてていいのかという焦りと、ともだちとずっと一緒にいたらこんな酷い目にあわなかったという怒りで、母についともだちの事を口走ってしまった。
「母さんにこんな事言われるなら、私はずっと自室で目を瞑っていればよかった!それならこんな無駄な事に時間を使わず、ともだちと楽しくお話してたのに!」
私の言葉を聞いて、母は苦虫を噛み潰したような顔をした。
「今週中に病院へ行きましょ…今の貴方を私はどうにもできそうに無いわ…」
ついには母さんまで私を訝しそうな目で見てきた。
今週はずっと気分が沈みそう。母さんの目に耐えられなくなった私は自分の部屋に急いで戻った。
そして布団に入り、目を瞑った。
「やっぱりアイツ、クソだよ」
「全部あの親が全部悪いのに」
「なんでみんな分かってくれないんだろう」
「それにしても、最近見た映画面白かったなー」
「私もう眠くなってきちゃった…」
ぺちゃくちゃと喋りだすともだち達は夜になると騒がしくて仕方がない。最初は嬉しいし、楽しかったけど、今じゃうるさすぎて眠れない。私は勝手に頭の中で喋りだすコイツらのせいで眠れない。またgみたいに消してやりたいけど、コイツらはgみたいに簡単には消えてくれない。消えたとしてもいつの間にか戻ってきてしまう。
なんで私がこんなに辛い目にあわなきゃいけないんだろう。ともだちの言う通り、これも全部親のせいなのか…
そして最後にともだちの一人がみんなへこう言った。
「あの女を殺してしまおう」
私はそれが魅力的に聞こえた。
ー終わりー
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