青白い肌の少年
投稿者:あもれん (2)
これはまだ私が5、6才くらいのときに体験したお話です。
その頃の私達家族は一階建の貸家に住んでいました。
その日の夜は、私の姉が「明日の習字の授業で半紙を使う」と言って、母に半紙の場所を問いました。すると母は「半紙は寝室にある」と言いました。
その頃に住んでいた貸家の寝室はみんながいるリビングから少し離れていて、夜に一人で寝室に行くのは大人でも怖い方がいるのではないかと思うくらい雰囲気がありました。
そして、姉は一人で行くのは嫌だからと言って、私を強引にこたつから引っ張り出し、着いてこいと命令しました。
私は嫌々ながらも逆らう事はできない為、姉に大人しく着いて行きました。
寝室につき。私は姉の半紙探しが終わるまで、寝室の出入り口で待っていました。そして、姉が半紙ガサゴソ探している間、私はとても暇だった為、天井のシミを数えていました。
それから何分か経ち、中々半紙探しが終わらない姉へ文句を言おうと寝室を見ると、そこには姉はおらず、今考えると生きているとは思えない青白い肌をした少年が私の前を横切って行きました。
しかも、その少年は私が覚えている限り全裸で、顔も無表情でとても恐ろしかったのを覚えています。
怖くなった私は急いで家族のいるリビングへ逃げ込みました。そして、私にとって更に不気味な事が起きました。
それは、リビングに姉がいた事です。すっかり忘れていたのですが、寝室には姉を置いてきたまんまだと思っていたので、姉がリビングにいた事に真っ先に驚きました。
「え?!姉ちゃん寝室いたじゃん!?」
「あ、うーん…怖くなったから先に戻って来ちゃったんだ。置いてってごめんね〜」
私は姉が私を置いて行った事よりも、何故私が姉が寝室から出て行ったのに気づかなかったのかに恐怖しました。
寝室の出入り口は一つしかなく、その出入り口には私が立っていたので、姉が寝室から出て行ったのなら必ず気づく筈です。それなのに、私は姉に気づく事なく、その場にずっといたという事になります。
私はもしかして、パラレルワールドのような世界に一時的に行ってしまったのでしょうか。
私が見た青白い少年はその世界の住民なのでしょうか。
どれだけ気になっても私はその日以降、青白い少年に会う事はなく、知りたくても調べられないという悶々とした日々を送っています。
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