ゆびきりさん

そんなある日、Kさんの同級生の女子児童が一人、行方不明になりました。
いじめの主犯格です。

捜索の結果、異様な状態で発見されました。
手の全指を欠損しており、それを喉に詰まらせた状態で死んでいたそうです。

学校ではその話で持ちきりで、誰が言い出したか、ある噂が立ち上りました。

【ゆびきりさん】がきた。

おかしな話です。

【ゆびきりさん】のおまじないには、ルールを破ってもせいぜい願いが叶わないくらいのペナルティしかなく、さほど危険な遊びではありませんでした。
【ゆびきりさん】は遊びの中の単なる役割で、実在する人物でもありません。

どう思われますか？

【ゆびきりさん】の流行を知った校外の異常者の仕業？
それとも児童の遊びから実体を得た本当の【ゆびきりさん】？

どうでもいいじゃないですか。

Kさんにとって重要なのは、いじめの主犯格が見るも無残にぶっ殺されたことじゃないですか。

いやー因果応報って、あるところにはあるんだなー。

ちなみにKさんへのいじめはそれからなりをひそめ、無事に卒業できたそうですよ。
よかったじゃないですか。
この話はこれでハッピーエンド。

そんなことより、私との遊びの続きをしましょうよ。

早く切ってください。

ねえ、

【ゆびきりさん】