山ナメクジの呪い
投稿者:ねこじろう (154)
長編
2025/01/22
11:51
1,022view
「じいちゃん、止めて!
じいちゃん!」
凉太は懸命に叫び体をバタつかせるのだが、じいちゃんは全く力を抜くことはなく、彼は顔の半分までナメクジたちに埋め尽くされ、口の中や鼻の穴の中にまで侵入してきていた。
━うぷ!、、、ううう、、、
……
凉太はうなされながら夜中に目覚めた。
横に寝ていた母親が心配げに彼の顔をのぞき込んでいる。
その時彼は何ともいえぬ生臭さと口内にはネットリした感触を感じていた。
※※※※※※※※※※
そしてそれは小学校が明日から夏休みという終業式の日のことだった。
凉太が家に帰ってくると、母親が不安げな顔で朝からじいちゃんがいないと言う。
そういえば彼も、その日は会っていなかった。
家中探してもおらず、晩御飯になっても姿を現さない。
凉太の父は明日の朝探しに行こうと言った。
※※※※※※※※※※
翌朝になってもやはり、じいちゃんの姿はなかった。
父母は朝から裏の山に分け入り、探していた。
凉太も夏休み中で家にいたのだが、まだ子供で危ないからということで家の近辺だけを探していた。
広い庭を隈無く見て回ると、次に家の裏手の薄暗い木立の辺りを探していた。
木立の中は夏とはいえ、少しヒンヤリしていた。
凉太が枯れ木を踏みながら鬱蒼とした木々の間を歩いていると、何か聞こえてきた。
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 11票
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。