波の中のポケット
投稿者:55 133 (5)
俺「おい!デケェの来てるぞ」
体感6メーターぐらいの波が目の前にいきなり現れた。
Aとしゃべりに集中してたからよく見てなかったんだ。
ドルフィン=板持って波をくぐること
Aはドルフィンが下手ででかい波が来ると叫びながら
板を捨てて潜ってる。ヤバいビックウェーブが来ると
板持って潜ったら一緒に巻かれて危ないからみんな板を捨てて潜る
もちろん板にはリーシュと言って、足につながってるひもが
ついてるけど板捨てて潜ったら後ろの人が危ないからちゃんと
後ろを確認してから潜ることはマナー。
でも丁度Aは俺の後ろにいた。
場所なんてすぐ変えれないぐらい波は近くに来ていた。
あっこれ、駄目な奴だ。と思った。
Aの家族になんて言おうかなんて一瞬考えてしまった。
それでもとっさにAを殺すわけにはいかないと思って
俺は板を持ったまま、腹くくって板もって波に突っ込んだ。
あぁ終わった。
波にグワングワン巻かれるのを想像して突っ込んだのに
気づいたらあれ?巻かれてないというか呼吸できる。
ふと現実を意識した。
するとそこにはテーブルがあって家族がいて、普通に話してる。
お雑煮が置いてあってだしが効いてて餅もおいしいなぁなんて
思って、ごはんを食べ終わった後に食器を流し台に置きに行った。
テレビで普通にゴロゴロしてワイドショー見てあったかいなぁ
と思ってうとうとしてたらテレビが今日は1月1日です。
午前6時です。なんていうから、あれ?今日はAとサーフィンに
行く約束してたっけ?なんて思い出したらそのときすごい音がした。
ズゥウウウウウううううううう、みたいな何かが揺れるような
吸い込まれるような音。
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。