ポラロイドの呪縛
投稿者:ねこじろう (153)
長編
2025/01/01
09:12
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━大変だ、救急車を呼ばないと!
あたふたとしながらポケットから携帯を出そうとしたが、見つからない。
どうやら家に忘れてきたみたいだ。
どうしようかと辺りをキョロキョロ見てると、ソファー前のガラステーブルに澁谷の携帯があった。
携帯の下には折り畳んだ紙がある。
俺は携帯で119した後、紙を手にしてみる。
すると数枚の写真がパラパラと床に落ちた。
何だろう?
一枚拾い上げてみる。
それはポラロイドカメラで撮った写真のようだ。
そこには暗がりの中でこちら背を向けた男が、肩越しに振り向く姿が映っていた。
場所はどこかの薄暗い路地のようだ。
澁谷だろうか?
何故か顔のところだけがグニャリと不気味に変形していて、はっきりとは分からない。
他の写真も澁谷らしき者が同じような感じで背後から映っていて、それらも全部顔のところだけがいびつに歪んでいた。
今度は紙の方を見る。
A4サイズの紙には「携帯ホーム画面にあるマイクのアイコンを押してくれ」と走り書きがあった。
俺は再び携帯を取ると、書かれている画面上のアイコンをタッチする。
どうやら音声記録のようで、しばらくすると、澁谷の苦しげな声が聴こえてきた。
※※※※※※※※※
うう、、苦しい、、、
息苦しさと目眩で立てない。
喉裏に激しい心臓の鼓動を感じている。
全ての始まりは、、
今お前の手元にあるポラロイド写真だった。
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