有料テレビ
投稿者:ねこじろう (153)
相変わらず鼻歌は続いていた。
どこか調子外れだ。
どうやら、この映像を撮っている男が鼻歌を歌っているみたいだ。
するといきなり達筆の毛筆で書かれた紙が画面いっぱいに現れる。
「第四回XXX教団聖なる儀式」
─ん、何だこれは?
怪訝に思い起き上がるとテレビ前で胡座をかき、画面に見入った。
調子外れの鼻歌はどうやら『ミッ○ーマウスのテーマ』のようだ。
タイトルが消えると、画面右端から誰かが鼻歌に合わせて行進するかのように大げさに腕を振りながら歩いてくる。
─なんだ、こいつは?
現れたのはパンツ一枚の痩せた男。
見た感じは50過ぎくらいか?
顔には獰猛な牡牛の被り物をしていて異様な雰囲気を醸し出していた。
数枚の画用紙を小脇に携えている。
男は画面中央で立ち止まると正面にくるりと向いて起立し、画用紙の一枚を片手で胸の前に突き出した。
そこには『神への聖なる捧げものの時間です!』と赤マジックで大きく書かれている。
すると画面から女の苦しげなうめき声が聞こえてくる。
そして画面左端から今度はロープで両手を縛られた全裸の若い女が、よろめきつんのめりながら現れた。
顔はモザイク処理されており、何者かはうかがいしれない。
口には猿くつわをされているのか?くぐもった呻き声だけが漏れているようだ。
かなり怖がっている様子で、子犬のように
全身をブルブル震わせながら画面中央辺りで立っている。
牡牛の男が隣に立った。
女は結構大柄で男の背丈とあまり変わらない。
するといきなり男は女を床に押し倒した。そして馬乗りになると両手で首をぐいぐい絞めだす。
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