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呪い・祟り

ねこじろうさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

有料テレビ
長編 2025/01/01 05:55 3,340view
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 階段を上がると、薄暗くカビ臭い廊下を真っ直ぐ歩く。

部屋は突き当たり右手の「二〇四号」。

鍵を開け入ると8畳くらいの畳部屋だった。

入口横にトイレと洗面所がある。

正面の窓のカーテンは閉まっており、部屋の真ん中には座卓があった。

左手奥に押し入れがある。

右側には床の間があり屏風が掛けてあり、その前に古い箱型のテレビがある。

THE昭和という風情だ。

スリッパを脱いであがると畳の上にジュラルミンのスーツケースを置き、押し入れを開く。

下の棚に浴衣があったから着替えた。

時計を見ると午後八時。

─風呂でも入るか

暖房のスイッチを入れてからタオルを持って部屋を出た。

 風呂からあがり部屋に戻ると、ちゃぶ台の前で胡座をかく。

そしてバッグからあらかじめ買っておいたシャケ弁当とカップの焼酎を出して、ちゃぶ台の上に置いた。

それから焼酎を開け一口飲み、弁当をつつきながらリモコンでテレビを点けた。

NHKとローカル放送局一つしか映らないようだ。

弁当を平らげ焼酎をチビチビやりながら下らない番組をなんとなく見ていると、テレビの真横に金庫のようなコインボックスがあるのに気づいた。

『有料テレビを楽しみたい方は、こちらに五百円をお入れ下さい』と書いている。

俺はホテルや旅館に泊まると、この有料テレビをちょっとした夜のお楽しみにしている。

迷わず五百円玉を投入する。

指定されたチャンネルに切り替えると、ありがちなアダルトビデオの真っ最中だった。

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