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呪い・祟り

ねこじろうさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

有料テレビ
長編 2025/01/01 05:55 2,432view

その下方にはでかいキリストの磔像が飾られていた。

さらにその下方にはなぜかアイドル美少女のポスターが数枚並べて貼ってある。

玄関口でスリッパに履き替えると、商売用のジュラルミンのスーツケースを提げて受付カウンターの前に進む。

「こんばんは」

と挨拶すると主人は微笑みながら「ああ、お仕事お疲れさん」と言い立ち上がると、
「ここに住所と名前と連絡先書いて」と、
記入用紙とゼブラのボールペンを俺の前に置いた。

必要事項を書き終え紙を渡すと、主人はろくに見もせず「じゃあ5千円ね」と言う。

財布から千円札を5枚渡したら、

「部屋は上にあるからカウンター横の階段から上がって。
それと風呂はこの受付の奥にあるから十二時までには入ってね」

と雑に説明した。

それからカウンター上にある蜂の巣のようなキーボックスから一つ、部屋番号の記された鍵を一つ抜き取り渡す。

ボックスの前にはチラシが数十枚重ねて置かれていた。

見ると「この人を探しております」とタイトルがあり、その下に「特徴として丸顔ショートカットで茶髪、大柄で身長は百六五㎝くらい」とあり二十くらいの若い女性が微笑むスナップショットがあった。
人探しのチラシは他にもあった。

チラシに視線をやる俺に気付いた主人が口を開く。

「この辺りでは数年前から若い女性が『神隠し』にでもあったかのように失踪する。

あんたが見てるのは一月ほど前うちに一泊した、東京から遊びに来ていた女の子なんだが、翌朝チェックアウトの時間になってもここに現れないから不審に思って部屋に行くと姿がなかった。

夕方になっても戻ってこないから駐在所に届けたら、数日後にその女の子の身内から連絡が入り娘が帰ってこないけど何か知らないか?ってね。

それで警察沙汰にまでなってしまって、、

残念ながらまだ見つかってないみたいだ、、」と主人は暗い顔でうつむく。

━そういえば3年前に嫁と一緒に出ていった一人娘の莉奈も、今年二十歳だったな

などと思い出し俺は少し感傷的になったが、やがてカウンター横手の階段の方へと歩きだす。

すると背後から「神のご加護を!」という主人の声がした。

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