「えっ」
元々はデカくなかった?
という事は元々は普通のサイズだったのに、気づいたらあそこまでデカくなったという事か?
もう一度窓の外を見やる。
ソイツは壁に張りついている。
やはりデカイ。
石野さんはさらに続ける。
「私が初めてあれに気づいたのは二週間前」
「え?じゃあ元々は居なかったんですか?」
あそこに呪縛してるという訳では無いのか。
なら尚更気味が悪い。
「私もそんなに窓の外よく見てる方じゃないから断言は出来ないけど、少なくとも1ヶ月前はあんなのは居なかった」
「その、元々はどれくらいのサイズだったんですか?」
「私が気づいた頃にはもう2mくらいはあったよ、でもそれから日に日にデカくなってる。」
俺たちの会話内容に興味津々のおばやん2人が教えて教えてとせがんでくるが、俺は石野さんから聞ける情報に神経を最大限注いだ。
「石野さんって、割と色々見える方ですか?」
「そうだね…結構見える……でもあんなのは初めて見たよ」
やはりそれだけレアな個体がここには居ると言うことだ、これは、アイツに知らせてやらねばなるまい。
そう心に誓ったところで石野さんがポツリと呟いた。
「少なくとも、あんなのまともじゃないから…渡辺さんは関わっちゃだめだよ」
全うな忠告だった。
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 27票

























けっこうこわかったです。
さすがに44Pもあると途中で挫折しました。
ぜひ今度5Pくらいの短縮版を書いてください。
怖くはない。だが悪くはない。
しんれいかいきみすてりーふうの、とあるぼうけんたん、ちょうへん。
主人公が俺っ娘だとは、ある一節まできがつかなかった 。
いつも空いている席の正体に続く、二作品目読ませていただきました。ジャンルとしては、心霊というより田舎・伝承系でしょうか。
師匠シリーズ、なつのさんシリーズのように登場人物に統一性があり、続編小説を読んでいるようでとても面白いし、なるほど、と思える話でした。次の話も楽しみにしています。
一作品目の話と、こちらの話は、朗読させていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
俺は高2なのに1コ上の石野さん大学生なんです?