こいつの好奇心はそのうちこいつの命を奪うんだろうなと思いながら俺は中途半端に清掃が終わってない5号室を後にすると退勤を済ませた。
また5号室に戻ってから私服で清掃すればいい話だったからだ。
しかしその日の清掃は何時もみたいに姑チックにチェックする事なく「だいたいでいいから貴方は夜に備えて仮眠なさい」と言ってきた。
そうだった、俺は今この女の下で工場も顔負けの二交替制勤務のブラック労働を強いられていたんだった。
俺はすぐさまベッドに潜り込むとグースカピーポコと泥のように仮眠を取った。
夜。
金属音で目が覚めた。
なんか鳴ってるなぁと思いながら目を擦りスマホで時間を確認する。
時刻は深夜1時辺り。
「は!!やばい!」と慌てて窓際の椅子へ向かった。
すると観察用の椅子にはまだ鎖が座っていた、鎖は窓の外をぼーっと見ている。
「ご、ごめん鎖…すっかり寝過ごした」
「え?あぁ…そうね……貴方、こっちでも遅刻ね」
なんだ?この心ここに在らずは。
いつも通りラッパーみたいにディスってくれないのかとしばし物足りない思いをしていると、ふと彼女の手元の巻かれた鎖に目が行った。
ガチャガチャとがなり立てている。
俺の心に緊張が走った。
これは何か心霊的現象が起こってる時のサインだったからだ。
俺は鎖の視線を追うように窓の外を見た。
「…は?なんだあれ」
息を飲んだ。
それは俺らの観察対象。
ダイダラボッチさんとやら、それがすっかりと姿を変えてしまっていたからに相違ない。
























けっこうこわかったです。
さすがに44Pもあると途中で挫折しました。
ぜひ今度5Pくらいの短縮版を書いてください。
怖くはない。だが悪くはない。
しんれいかいきみすてりーふうの、とあるぼうけんたん、ちょうへん。
主人公が俺っ娘だとは、ある一節まできがつかなかった 。
いつも空いている席の正体に続く、二作品目読ませていただきました。ジャンルとしては、心霊というより田舎・伝承系でしょうか。
師匠シリーズ、なつのさんシリーズのように登場人物に統一性があり、続編小説を読んでいるようでとても面白いし、なるほど、と思える話でした。次の話も楽しみにしています。
一作品目の話と、こちらの話は、朗読させていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
俺は高2なのに1コ上の石野さん大学生なんです?