「ふーん…ん?…いや、羽??」
ちょっと待て。
羽ってなんだ?
何言ってるんだこいつは。
仕方なく俺も俺なりに真剣にその講義を受ける者として質問をぶつけた。
「おい、それはおかしくないか?ダイダラボッチって巨人だろ?羽なんて付いてなかったと思うぞ」
俺の疑問に対し「いい質問だわ」と「馬鹿ねあなた」を半々で混ぜたような顔をこちらに向ける、どうやったらそんな器用に人を小馬鹿に出来る表情が作れるんだ。
「貴方…ダイダラボッチが伝承通りの人の形をした巨人だとでも思っているの?」
鎖の冷たい目と俺の目が交差する。
違うのか?本当のダイダラボッチの姿は。
「じ、じゃあ……ダイダラボッチってなんなんだよ」
また「ふふっ」と笑うと鎖は窓ガラスを撫でた。
しばらくして小さくこう答えた「私も直接見るのが楽しみ」と。
あーだめだ完全に自分の世界に入り込んでらっしゃる。
その後まるで動物園のふれあいコーナーで可愛い小動物でも撫でているかのような顔でしばらく窓ガラスを撫でていたが不意に鎖が足元から崩れるように床に倒れそうになったので慌てて支えた。
「生きてる人の命まで吸い込もうとするなんて、本当に食いしん坊なのね」と寝言みたいに鎖は呟いていた。
その後は自力で立てなくなった鎖を背負って近くの空いてる客室で1〜2時間程寝かせる運びとなった。
夕方。
「おい、体大丈夫か?寒くないか鎖」
「病人じゃないんだからそんな逐一確認してこなくていいわよ」
あの後何とか5号室に戻るとまた窓際に座って双眼鏡で例のダイダラボッチとか言う奴の観察を再開した。























けっこうこわかったです。
さすがに44Pもあると途中で挫折しました。
ぜひ今度5Pくらいの短縮版を書いてください。
怖くはない。だが悪くはない。
しんれいかいきみすてりーふうの、とあるぼうけんたん、ちょうへん。
主人公が俺っ娘だとは、ある一節まできがつかなかった 。
いつも空いている席の正体に続く、二作品目読ませていただきました。ジャンルとしては、心霊というより田舎・伝承系でしょうか。
師匠シリーズ、なつのさんシリーズのように登場人物に統一性があり、続編小説を読んでいるようでとても面白いし、なるほど、と思える話でした。次の話も楽しみにしています。
一作品目の話と、こちらの話は、朗読させていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
俺は高2なのに1コ上の石野さん大学生なんです?