そう言って前を指さす。
どう見ても手入れされてない草むらである。
俺は鎖のトゲトゲした言葉を無視して勝手に隣へ座った。
鎖はまた嫌そうな顔をするとスっとベンチの端ギリギリまでお尻をスライドさせて俺から距離を取った。
そんなに嫌われるような事したかな。
鎖の手元を見るとスカートの上に高級感のある竹かごが乗せられている。中にはサンドイッチが入っていた。
白いものと赤いものがパン生地にサンドされている。
スイーツサンド??
鎖は俺を無視して昼食を再開した。
「それ……美味しそうじゃん、1口ちょうだい」
「死になさい、あなたの墓石にこれをお供えしてあげるから」
この反応速度でそのレベルのトゲついた言葉を返せる辺りラッパーにでもなったら案外いい線行きそうだなと不思議な関心を抱いていた。
俺も焼きそばパンのラップの包装を解くとおもむろにかじりついた。
焼きそばの濃いソース味もこの緊張感の中ではどことなく薄味に感じられた。
「朝…言ってた事なんだけど」
「…………」
ここら辺まで言えばあとはそっちから続きを話してくれると踏んでいたが鎖のスイーツサンドを捕食する手にブレーキの気配はない。
やはり説明責任からはそっぽを向くつもりらしい。
「あんな席には座らないって………どういう意味なの」
「…………」
返答はなかった。
この話は怖かったですか?
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えっ、最後びっくりした
「床に落ちた何か」てなんだったの?