ついてくる女性
投稿者:たち (9)
長編
2024/11/15
22:48
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ずっと、ついていくからな
と言う声が耳元で聞こえたんだ。思わず振り向きそうになったがなんとか堪えることができた。それを聞いてから、心のどこかで不安が強くなってきてな…みんなを残して、まだ死ねんよ。」と父は話してくれました。
私は黙って聞いていて、鳥肌がたちました。
「そんな怖いことが海の上で、それも1人の時にあったなんて…」と思い、父に
「そうだったんだ…漁師辞めても、誰も責めないよ。父さんに死なれても困るよ。」
と話すと、父は少し照れくさそうに
「ふっ、そうだよな…」
と言いました。
信じられない話を聞いた感じでしたがどこか自分の中で納得し、スッキリした感じがしました。今までのモヤモヤが晴れたような。
休みを終え、自分の自宅に戻る時、父が、
「じゃあな。無理すんなよ。何かあったら連絡しろ。」
私は「わかってるよ。」と言い、家を出ようとしたら父が近づいてきて、
「お前が漁師やるって言ってこなくて、よかったよ…」とボソッと言いました。
私に同じような体験をさせたくないという父の思いに少しウルッとしましたが我慢し家を出ました。
帰り際に海を眺めていたら
ずっと、ついていくからな
と聞こえ、ゾクっとしましたが後ろは振り返らずその場を立ち去りました。
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