懲りない3人のストーカー
投稿者:ねこじろう (144)
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「それは、お寂しいでしょう。
あなたのようなまだお若い方がこんなに早く連れ添いを亡くされると。
ああ、すみません、まだ亡くなったと決まったわけではなかったですね。
まあね私なんかね、今年で60になるわけだけど未だに一人もんですわ。
いやいや、もうここまでくると寂しさとかはありませんよ
異性に対する関心もほとんどありませんしね。
ただ夜寝るときとかにね、窓ガラスとかが風でガタガタいうときがあるじゃないですか。
特に今のような季節のときは特に。
そんなとき、ああ誰かいてくれたらなあとか思うときはありますけどね。
ハ、ハ、ハ、ハ、ハ……」
私は出されたお茶を飲みながら目の前のソファに座るスエット姿の初老の男性の話を聞きながら、夫のことを考えていた。
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夫がいなくなってから、もう1年になる。
山登りが好きな人で、去年の冬行ってくると言って出て行ったきり今日まで帰ってきていない。
当時警察や地元の消防団の方々が総動員で捜してくれたのだが、結局見つからなかった。
警察は恐らく登山中に遭難されたのでしょうと言っていた。
でも私は今でも、夫があの時のままの恰好でひょっこりと帰ってくるような、そんな気がしている。
私は今古い二階建ての一軒家で暮らしている。
夫は若い頃からアンティークなものが大好きで、住むところもマンションとかではなく古民家のようなところがいいと言って、わざわざ勤め先から1時間かかるところにある郊外の古い二階建ての一軒家を借りたのだ。
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今私の目の前に座っているのが大家で、代々家や土地を持っている大地主の子孫らしい。
毎月末にはこうして、大家の屋敷に家賃を持っていくのである。
大家はいつも真っ赤なスエットの上下といういでたちである。
でっぷりとだらしなく肥えており、頭はおかしな具合に禿げている。
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