懲りない3人のストーカー
投稿者:ねこじろう (144)
長編
2024/10/15
10:19
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私は奥の居間のソファに座りテレビを見ながら、妹の帰りを待っていた。
しばらくすると煮魚の良い香りと包丁の音がしだしたので振り向いて見ると、上條は奥のキッチンでなにやら料理の最中のようだ。
「あの、、どうぞ、お構い無く!」
私は上條の背中に声をかける。
すると彼は振り向くと肩越しにこちらを見ながら、
「いやいや、どうせ今晩は僕が晩御飯作るつもりだったから、ついでにお姉さんの分まで作ってますよ。」と言ってニッコリ微笑んだ。
私が恐縮しながら「どうもすみません」と頭を下げると、上條はまた振り返り、
「なんだか、あいつ最近忙しいようで、まともに晩飯食ってないみたいでね。たまには良いもの食わせてやろうと思って、今日は奮発して金目鯛の煮付けをね」と言って笑った。
※※※※※※※※※※
そうしているうちに、ラインの着信を伝えるチャイムが鳴る。
私は傍らのバッグから携帯を出した。
妹からだ。
そしてディスプレイに並ぶ文字を読み終えた途端に「え?」と目を疑い、もう一度改めて読んだ後、一瞬で背筋が凍りついた。
お姉ちゃん、ごめん(´`:)
用事が早く終わって時間があったから彼氏と買い物出たんだけど、長引いてしまって、、、
あと5分くらいで一緒に家戻るから、アパート玄関の前で待っててね(^^)
携帯を持つ右手が震えている。
画面からゆっくり顔を上げた時だ。
突然部屋の電気が消えた。
※※※※※※※※※※
その2…
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