(ん?Tさん?いきなり連絡なかったのに何で内に?)
なんてことを考えたがインターホンのカメラを見てある違和感を覚えた。
Tさんの服が着ていた服がこの季節には似合わない黒いコートだった。コートという関連から彼女が昨日会った不審者のことが思い浮かんだ。
(え?Tさんがゆみのストーカー?)
Tさんはプライベートでも関わってましたし、とても優秀でそんなことをする人ではないことは知っていた。
Tさんは無表情のままずっとインターホンの前にいる。向こうからは見えていなだろうし行方不明者でもあったので今のうちに警察に通報しようとした。携帯を手に取りインターホンを見続けた。
そして電話で番号を打っている時にそのTさんの顔を見て恐怖した。Tさんの顔は整っておりイケメンだなと思える顔をしていた。けど今のTさんの顔は違和感でしかなかった。理由は、Tさんのまつ毛が下にあったのだ。
しかし、まつ毛が下にあるんじゃないそもそも目が180°違うのだ。この違いに気づいたときは全身から鳥肌と寒気が同時に襲ってきました。警察に通報どころではない。ましてやこのTさんの顔をしたそいつは人ではない。そう確信した。
恐怖で体が固まっていると後ろでこのマンションの人が入り口のカギを開けて中に入る。そいつもそれにつられて中に入ってくるのだ。やばいこっちに来る。そう思いました。
「コンコン」玄関のドアをノックする音が聞こえる。
「A君Yちゃんいるか」Tさんの声を発するなにかはドア越しに話かけてきたのだ。
「コンコン」
またドアをノックされた。
「A君YちゃんいるかーA君YちゃんいるかーA君YちゃんいるかーA君YちゃんいるかーA君Yちゃんいるか」
抑揚のない一定のトーンでそいつは話しかけてくる。
ここで居留守を使っても必ずあいつは来ると感じた僕は、
「何がしたいだ」そう告げるが
「A君YちゃんいるかーA君YちゃんいるかーA君YちゃんいるかーA君YちゃんいるかーA君Yちゃんいるか」
埒が明かなくなった僕は「彼女はここにはいない。お前のせいで彼女はどこか遠くの方に引っ越した。彼女が目的ならもうここにはかえって来ないからどっかいけよ。」と震える子でそれに話しかけた。
「チっ」
ドアの向こうで声がした
すぐに彼女には会社を出るなとメールで伝え僕の実家が近かったため親父に連絡して、親父の家にかくまってもらった。
やつに聞こえないようにすべてメールで送り親父とYちゃんからも返信があった。
親父には事の経緯を伝え、Yには深くは話さなかったトラウマを植え付けてもよくはないと考えた。ドアの方からはやつの気配も消えあきらめたようにも感じた。
彼女には会社をしばらく休んでもらい僕はすぐにこの町から出るための引っ越しを手配した。その次の日彼女の職場の人が行方不明になった報道が流れた。ああこの町はもうだめだと感じた僕はその次の日の内に町を出て実家に帰省した。
そのあとは音沙汰もなくなり今では平和に暮らしている。
途中でYちゃんをゆみちゃんって載せてしまいwwwワロタ