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不思議体験

岸さんさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

近所のSさん
短編 2024/10/06 17:09 1,091view
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私はS県という場所に三ヶ月前に引っ越してきた。その時に不慣れな私に優しくしてくれた家族がいました。私の近所にはTと言う一家が住んでおり、その家のsさんと言う60歳ぐらいになるおばあちゃんが物腰良さそうに毎朝の挨拶や世間話などをしてくれる方がいます。その日の朝も仕事のために家を出るとSさんが花に水をあげている。家から出てくる私にニコッと笑って「おはよう、今日は暖かいね〜」などあたたかい気持ちになるように話しかけてくれる。
「おはようございます!そうですね〜。ニュースでも過ごしやすい一日になるっていってましたしねー」
この会話は会うたびにしていて朝の日常会話にもなりつつある。
「そうね〜。もうすぐこのお花も咲く頃だし季節の変わり目かもしれないね。」
「その花もうすぐ咲くんですか?ずっと蕾のままでしたね。」とSさんが水をあげている花に目をやる。
この花は私が引っ越してきて三ヶ月ほど経ってもずっと蕾のままで枯れることもなく閉じたままの不思議な花である。
Sさんにも「どんな花なんですか?」や「いつ咲くんですかねー。楽しみですね!」
と聞くと「あともう少し」なんて話してた
花の種類については肥料が特殊でその肥料によっても形色が変わる特殊な花なんだといっていた。
前にも咲いたことがあってその花の色は真紅でとても綺麗なものとなっていた。
「この花が咲いた時はずっと欲しかった孫が生まれてきてくれたのよ。肌身離さず可愛がったの」なんてとてもお孫さんのことが好きなんだなと思っていた。

他には青色の花が咲いた。この花は棘がものすごくある。Sさん曰く「さわると棘が刺さって血が出てきちゃったのよ!」なんて話していた。確かにトゲの数が以上に多く外敵から花を守る形となっていた。
「この時はね私の母親が急に倒れてしまって、そのままなくなってしまったのと」なんてことを聞いた。
この時はね流石に「それは大変でしたねと」返し方がわからずそう答えたことを覚えている。
「そんなに気まずそうにしないで、生きてる時介護で大変でむしろお金もかからないしいいのよ」なんて笑顔で答えた。
流石に私は笑えず「電車に遅れそうなので」と言いはや走りで会社に向かった。
そんな話を聞いてからしばらく経って現在になる。もう時期咲くとのことでいろんな意味でドキドキしていた。
赤と青の花についてだが赤は大事そうに自宅に飾ってあって青は厄介な花とのことで捨ててしまったのこと。
そしてその花が咲いたと会社に行く前にSさんが教えてくれた。でも Sさんあまり嬉しくなさそうな感じで話しかけてきたので見に行くとその花は奇妙な見た目をしていたのだ。
蕾がないのだ
植木鉢に目をやると花弁が落ちているわけでもなくポツンと小さい茎と花びらがなくなった植物それはとても不思議なことだった。
Sさんは一言「迷ってたから咲かなかったのかな」と話していた。

続けて「ある人を家に入れたかったんだけどその人話しかけてくれるから欲しくなっちゃって、でもなかなか踏み込めなくてね。花が咲く前に間に合わなかったの。」と
どうやら花が咲く前にその特別な肥料を入れる必要があり、Sさんは用意することができなかったらしい。
「それは残念でしたね。でも、まだ次がありますしその時に…」ここまでいうとSさんは「これは一回限りなの、間に合わないと別の花びらが後からさいちゃうの」と言いていた。
そんなことがあるのか?と内心考えていたがSさんは肩を落としながら家の中に帰っていった。
その日からしばらくしてSさんが現れなくなった。よほどショックなんだなとなんだかSさんが気の毒に感じた。
数日後、Sさんが自分の玄関で掃除していた。
久しぶりだったので「おはようございます!」
「………」
無視だった。Sさんは顔を伏せてほうきをはいている。(きこえなかったのかな?)
この時会社に遅刻しかけていたのでSさんの家の前を駆け足で走って向かったSさんの家が見えなくなる曲がり角で曲がると同時にSさんの家を見た。
Sさんは腕に包帯を巻いておりその包帯の間から茎が見えた。そして道の真ん中に出て私のことじっと見ていた。
それっきりSさんを見かけることはなく四日たったある日、仕事のために家をでてSさんの家の前を通った時玄関の前に黒色の花がそこにはあった。真っ黒ではなく少し赤みがかった花。(綺麗…)
よく見るとそれは花びらがついていなかった。

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