夜の公園
投稿者:ほらりん (21)
ある夏の夜、友人たちのグループが集まり、夜の公園で肝試しをすることにしました。公園は昼間は賑やかですが、夜になると一転して静まり返り、薄暗い街灯がぼんやりと照らすだけの不気味な場所に変わります。
友人たちは公園の奥にある古い遊具の周りに集まりました。そこには、錆びついたブランコや壊れかけた滑り台があり、風が吹くたびにギシギシと音を立てていました。彼らは順番に怖い話をし始めましたが、次第にその場の雰囲気に飲まれ、誰もが不安を感じ始めました。
突然、遠くから子供の笑い声が聞こえてきました。誰もいないはずの公園で、その笑い声は異様に響き渡りました。友人たちは顔を見合わせ、誰かのいたずらだろうと笑い飛ばそうとしましたが、笑い声は次第に近づいてきました。
「もう帰ろう」と一人が言い出し、全員が同意しました。しかし、出口に向かおうとしたその時、笑い声がすぐ後ろから聞こえました。振り返ると、そこには顔のない子供たちが立っていました。彼らは手をつないで輪になり、楽しそうに笑いながら友人たちを囲みました。
友人たちは恐怖に駆られ、必死に逃げ出しました。しかし、公園の出口はどこにも見当たりません。走っても走っても、同じ場所に戻ってきてしまうのです。まるで公園全体が迷路のように変わってしまったかのようでした。
その時、一人の友人がふと気づきました。「あの子供たちの輪の中に入れば、出口が見つかるかもしれない」と。恐怖を押し殺し、彼は子供たちの輪の中に飛び込みました。すると、突然公園の風景が変わり、明るい光が差し込みました。
友人たちは無事に公園の外に出ることができましたが、その後もあの夜の出来事を忘れることはありませんでした。彼らは二度と夜の公園には近づかないと誓いました。
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