マッチングアプリの怪物
投稿者:ねこまんま (1)
お会計を済ませた僕らはお店を出て駅のある方向へと足を進めていました。
年齢から来るものなのか、満腹感によるものなのかはわかりませんがAさんは
「フヒー、フヒー」
と口から息を切らしながら僕の腕にしがみついて歩いていました。
「勘弁してくれよ…さっき鼻噛んだ後に直接鼻をグジグジした手で僕の服掴んでるよな…」
そう思いながら歩いていると
「ねぇ…フヒ-…ちょっとどこかで…フヒ-…休憩していかない?フヒ-…」
とAさんが息を切らしながら提案してきました。
この時の青かった僕は女性の言う「休憩」というワードの真の意味を理解しておらず
歩き疲れたからどこかでお茶でもしないか?ぐらいの意味に捉えていました。
それぐらいならいいかと思い、Aさんの提案を受け入れた僕はAさんに
「私いい所知ってるから」と手を引かれながらその場所に向かいました。
しかし行けども行けどもお店には辿り着かず、それどころかどんどん人気のない路地へと誘導されて流石に不安を覚えた僕は
「なかなか着きませんね、あとどれぐらいかかりそうですか?」
と尋ねるとAさんは
「もう目の前まで来てるよ、ほら看板が光ってるビルがあるでしょ?」
とカラフルな看板が光る寂れたビルを指差しました。
それを見た瞬間いくらそちらの方面に無知な僕でもAさんの意図を察する事になりました。
そのビルはラ○ホテルでした。
自分が置かれている状況を理解した僕は身の危険を感じですぐに
「すみませんちょっと用事を思い出して…」
と言ってその場を立ち去ろうとしましたがAさんは信じられない力で僕の腕をガッチリとホールドして
「逃がさないからな?へっへっへっ」
と言って僕の腕をメキメキと音がする程の強さで締め付けました。
自分よりも一回りも体の大きいAさんに捕まった僕はどうあがいてもこの人に力では勝てないと悟り抵抗するのをやめました。
そうしてあれよあれよという間に僕はホテルの一室へと連れ込まれてしまい、気がつけばベッドでAさんの隣に座っていました。
Aさんはスリスリと僕の手をさすりながら僕の肩に身を寄せて
「やっと2人きりになれたねぇ…」
と気持ちの悪い笑みを浮かべました。
どうしようどうしよう
話は違うが、格安風俗に行った時のことを思い出した。
出てきたのがフツーの60代半ばくらいのかなり瘦せた人(それ専門系の店ではない)。
この手の怖い(?)話には、案外似たような体験が元になっているのかもしれない。
悪夢でしたね。
事実は小説より奇なりですね。
怖かったと思います。