マッチングアプリの怪物
投稿者:ねこまんま (1)
この話は3年程前、僕に一生もののトラウマを植え付けた出来事です。
その当時の僕は24歳という年齢で一度も彼女ができた事がないという事実に焦っており、藁にもすがる思いでマッチングアプリを始める事にしました。
始める前まではお金をかけてアプリさえ始めてしまえばとんとん拍子に彼女ができるものだと思っていました。
しかし現実はそう甘くはなく、いくら課金をして多くの女性にいいねを送っても全く相手にされず
アプリを始めて1ヶ月は経とうかと言うのにマッチングは0件という凄惨たる結果でした。
課金額は増えていくのにそれに反比例して自己肯定感は下がっていく
そんな毎日が続いて精神的に疲れ切ってしまい、もうアプリを辞めようと思っていた矢先に一件の通知音が部屋に鳴り響きました。
僕は獲物を見つけた虎のように反射的にガバッと起き上がってスマートフォンに手を伸ばしその通知を確認しました。
そこには
「〇〇さんとマッチしました。」
と書かれており、1ヶ月間ずっと待ち望んでいた文言を目にした僕は深夜にも関わらずヨッシャァ!と大声を張り上げてしまった事を今でも覚えています。
そしてすかさずマッチングした相手の女性の写真を見て僕は再び声を張り上げました。
そこには黒髪ロングヘアーでものすごく綺麗な女性が写っており顔立ちはもちろん、服装や雰囲気など完全に僕のタイプに当てはまっていました。
年齢は28歳で職業は会社員、住んでいる地域も近所で好きなバンドと食べ物が僕とまったく同じで、もうこの人が僕の運命の人なのだと本気で信じて疑いませんでした。
ただ一点プロフィール欄を見て少し気になったのはその女性がシングルマザーだという事でした。
しかしその時浮かれていた僕からすればそんなものは些細な問題、それよりもせっかくこんな綺麗な人がマッチしてくれたのだからメッセージを送らなければと思い、早速一通目の文面を考える事にしました。
しかし今までメッセージはおろか現実で女性とろくに話した事すらない僕はどうやって話を切り出せばいいかわからず1時間以上メッセージの内容を考えあぐねていました。
すると
ピコン
と通知を知らせる音が耳に入りました
通知は先程マッチした相手の女性でした。
ひょっとして僕がいつまで経ってもメッセージを送ってこないから怒ってるのかな…?
そう思いながら恐る恐るメッセージを開いてみると
「マッチありがとうございます〇〇です。
好きなバンドも好きな食べ物も同じだったのでぜひお話してみたいと思いメッセージを送らせていただきました。よろしくお願いします。」
と書かれていました。
まさか向こうの方からメッセージを送ってきてくれるとは思っておらず僕の心臓は音が聞こえる程激しく脈打っていたと思います。
僕は嬉しさと動揺でガタガタと震える指でスマートフォンをタップしメッセージの文章をメモ帳アプリに下書きしました。
「こちらこそマッチありがとうございます△△です。
好きなバンドが同じですごく嬉しいです。
〇〇さんは何の曲が好きなんですか?」
話は違うが、格安風俗に行った時のことを思い出した。
出てきたのがフツーの60代半ばくらいのかなり瘦せた人(それ専門系の店ではない)。
この手の怖い(?)話には、案外似たような体験が元になっているのかもしれない。
悪夢でしたね。
事実は小説より奇なりですね。