リサの電話
投稿者:ほらりん (21)
ある日、大学生のアヤは、古びたアンティークショップで一体の人形を見つけました。その人形は美しいドレスを着ており、まるで生きているかのようなリアルな顔立ちをしていました。アヤはその人形に一目惚れし、すぐに購入しました。
家に帰ると、アヤは人形を部屋の棚に飾りました。その夜、彼女は友人たちと遅くまで電話で話していましたが、突然、電話が切れてしまいました。再び電話をかけ直そうとしたその時、見知らぬ番号から着信がありました。
「もしもし?」とアヤが電話に出ると、低い声で「リサよ」とだけ言われました。アヤは驚きましたが、すぐにいたずら電話だと思い、気にしないことにしました。
しかし、その夜から毎晩、同じ時間に「リサよ」という電話がかかってくるようになりました。アヤは次第に不安を感じ始め、友人たちに相談しましたが、誰もその番号を知りませんでした。
ある晩、アヤは電話がかかってくる時間に合わせて、部屋の電気を消し、静かに待ちました。時計が深夜の12時を指すと、電話が鳴り始めました。アヤは恐る恐る電話に出ました。
「リサよ。今、あなたの家の前にいるの」と声が聞こえました。アヤは恐怖で震えながらも、カーテンを少しだけ開けて外を見ました。しかし、誰もいませんでした。
その瞬間、電話が再び鳴り、「リサよ。今、あなたの部屋の前にいるの」と言われました。アヤは恐怖で動けなくなりました。部屋のドアを見つめると、ドアの隙間から影が見えました。
「リサよ。今、あなたのすぐ後ろにいるの」と電話の声が続きました。アヤは振り返る勇気もなく、ただ震えていました。すると、突然、部屋の電気が点滅し、人形が棚から落ちました。
アヤは叫び声を上げ、部屋を飛び出しました。それ以来、彼女はその部屋に戻ることはありませんでした。しかし、彼女が去った後も、その部屋には毎晩同じ時間に電話が鳴り続けていると言われています。
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