「黄色い線まで・・・」
「間もなく貨物列車が・・・」
「カンカンカンカン」
踏切が鳴る。バーが下りる。
体は踏切の方へと歩みを進める。
ダメだ、このままじゃ轢かれて死ぬ。
止まりたい、歩きたくない、なのに体は止まらない。
あっという間に踏切に着き、バーをくぐろうとしたその時。
「待って!!!」
お持ち帰りした女の子が俺の腕をつかみ、
俺の頬を思いっきり引っ叩いた。
体の自由を取り戻した俺は、慌ててあとずさり。
その瞬間、貨物列車がゴォーーーと通り過ぎて行った。
「〇〇(居酒屋)にいたときからね、あなたの後ろになんかいたんよ。
かなり悪い物に見えたから、ここまでついてきたの。
もう見えなくなったから、私は帰るね。
気を付けてね。引っ越した方が無難だと思うよ。じゃ。」
翌月に引っ越し、俺はそれ以降踏切や駅を利用しても何も起きなかった。
その女の子ともそれっきりだった。
合コンした時のメンバーや他の女の子に聞いてみたが、
その子を知っている人は誰もいなかった。
「あんときのお前ひとりで壁に向かってしゃべったりするから怖かったわ。
薬でもやってるか憑りつかれてんのかと思ったw」
ちょっと切なくなったけど、助けてくれてありがとう。
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よい話だった!
女の子誰だったんだ…
怖いけどいい話だなぁ❗
合コンに来ていた誰かのお姉さんだったのかもね(‥;)霊感強い人だったんだね(;^_^A