泥だらけの裸足
投稿者:fudousanya (6)
先に書いて置くのですが、私たちが泊まった民宿は、当時、漁業組合の奥様達が交代で賄いをする
ので、夜には帰宅してしまう、海辺に建つ一軒家です。
芝生の庭が不自然にあり、垣根で囲われていました。知ったのは後なのですが、よく海で上がる御
遺体を安置しておく場所であり、この一軒家は短い夏の間だけ民宿として予約を取っていた。
漁師の奥さんたちのバイト仕事のような民宿だったのですね、それでは現象を書いてみます。
年月は甲子園の決勝、横浜高校の愛甲投手が優勝した夏のお盆の時期です。
私たち5人は海のシーズンを過ぎた、そんな日にこの民宿に泊まりました、誰がどうやって予約を
取ったのかは記憶にありません。全員高校三年生でした
男ばかり5人が季節外れの海にやってきた。と言うことです、おばさん達が三人くらいで夕食を
作ってくれて、終わると「じゃ、また明日ね。あ・・飲み物は冷蔵庫開けて勝手に飲んでいいよ」
と帰ってしまうのです。 二日目の夜に「花火で戦争でもするか」と誰かが言い出し、全員で
街にぶらぶらと歩いて夕食がてらロケット花火を買ってきました。蚊取線香とライター、懐中電灯
を私が持って全員で浜辺に歩いて行きました。
グーパーで3人と2人を作ります。私は3人組に入りました、相手の2人組は20mほど先まで
歩いて行き「この辺でいいかあ~」「OK」と言い合い、まずは蚊取線香に火を点けて火種をと
懐中電灯のを下に置いて、しゃがみこんだ私は懐中電灯に照らされた友人二人の足、以外に
右側に裸足で泥だらけの子供の足が映っていました。近所の子供がついて来て入り込んだと思い
ましたが、なにか違う。泥だらけのわりに白いし肌と爪の色が同じくらい血の気が無い
(生きてる人の足じゃない)と頭に浮かびました。懐中電灯を持ち上げて2人組のほうに灯を
当てると2人組が見えない。「あれ?どこ行った?」と友人が「おーい」と叫ぶと、かなりの
先から「おーーーい」と聞こえるのです。20mどころじゃなくもっと先です。
「帰るぞ」と私は言って懐中電灯を振りました。友人二人も大声で「帰るぞーー」と叫びます
私は友人が叫んでる時にもう一度足元を懐中電灯で照らしてみました。足は消えていましたが
なんか気持ちが落ち着かないというか、変な予感みたいな感じが消えていませんでした。
遠くにいた友人2人は走って戻って来ました。「なんで遠くに行くんだよ」と文句を言われると
「お前たちがもっと行けて言うから」「言ってねーよ」とおかしな事になりました。
「なんかヤバいっぽいから帰ろう」と私ともう一人が主張して帰る事になりましたが、何も
感じていない友人は「そうだよな暗いし、何も見えねーし、明日は懐中電灯もう一つ用意しよ
う」と呑気な事を言います。5人で来た砂浜を戻るのですが足元を私の持った懐中電灯が照らして
行きます。途中から怖くて速足になりました。「待てよ」「早いぞ」と背後から友人が言うので
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。