【突撃！噂の心霊スポット】

「え！？何？何の音？」とびくつきながら呟く。

だが室内にはこれといった異変はない。

音は相変わらず聴こえてきていた。

ｷﾞｼﾘ、、、ｷﾞｼﾘ、、、ｷﾞｼﾘ、、、

恐怖で固まる村井をよそに、小暮は頭を抱えたまま突っ伏していた。

※※※※※※※※※※

結局村井と小暮は揃って座卓に突っ伏し寝入った状態で朝を迎える。

遅めの朝食を終えた二人は身支度を済ますと室をあとにした。

それから会計を済ませ玄関で靴を履き、外に出る。

車のところまで見送りにきてくれ丁重に頭を下げる主と女将に笑顔で応対する村井。

対して小暮は終始険しい顔で無言だった。

車が動きだしてからしばらくしても相変わらず
の小暮に対し、ハンドルを握る村井が「おい、どうしたんだよ。気分でも悪いのか？」と尋ねる。

すると小暮はおもむろに右方を指差すと、あそこの喫茶店に寄ってくれないかと言った。

村井は言うとおり、道沿いにある古びた喫茶店の前に車を停める。

それから二人は店内奥のテーブルに座った。

注文したコーヒーが目の前に置かれた途端、小暮が口を開く。

「さっきの旅館の主と女将、、、あの二人ヤバいよ、狂ってるよ」

意外な彼の言葉に村井が「何でだよ？」と尋ねた。

小暮はコーヒーを一口飲むと一呼吸おき、また口を開く。