【突撃！噂の心霊スポット】

「い、、今の、、何だった？」

小暮は静かに首を横に振ると、ぼそりと呟いた。

「ところで今、人の声が聴こえなかったか？」

村井が険しい顔で首を横に振ると「何と聴こえたんだよ？」と聞く。

すると小暮は村井に顔を近づけると囁くように言った。

「『チ、、ガ、、ウ』って、、」

しばらく二人の間に沈黙が続いた後、小暮は

「やっぱり、この部屋何かありそうだな」と言ってから頷いた。

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御膳が退かれてから二人はカメラを設置し録画を開始する。

これから小暮の霊視が始まるのだ。

すでに時刻は午後９時を過ぎていた。

昼間室内奥にある窓から見えていた海も今は漆黒の闇に包まれており、ただポツンポツンと船の灯が揺れるのが見えるだけだ。

時折微かに汽笛の鳴るのが聴こえてくるだけで、室内はシンと静まりかえっていた。

座卓に向かい合い座る二人。

室の電気は消されていて座卓の真ん中に置かれた大きめの蝋燭の灯火だけがユラユラ揺れており、二人の顔を不気味に浮かび上がらせていた。

村井が正面に座る小暮に尋ねる。