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ヒトコワ

harutonさんによるヒトコワにまつわる怖い話の投稿です

これって新手の勘違い人間?
短編 2024/07/04 15:13 3,006view
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従姉妹から聞いた話を投下する。
従姉妹が前の職場にいた頃の出来事なんだけどね、従姉妹はバスを利用して職場に行っていたんだ。いつものバス停に従姉妹はバスが来るのを待っていたんだ。

そうしたら
「◯◯ちゃん!」(従姉妹の名前)
と呼ぶ声が聞こえた。思わず反応した従姉妹は、声のしたほうを振り返るとそこには知らない女性が立っていた。歳はパッと見て自分の母親くらいの、ニコニコした見知らぬ女性が声を掛けてきたんだって。従姉妹は見当がつかなかった。
誰よ、この人ってね。

「◯◯ちゃん!大きくなったわね!私のことを覚えてる?ほら平井 吉彦(仮名)の母よ!」
平井 吉彦…。
従姉妹は思い出した。小学生5、6年の時にクラスが一緒だった男。
なんか上から目線で従姉妹のことを軽く見る、嫌な感じのガキ…。その男の母親だったのだ。

ああ。どうしよう。

従姉妹は正直面倒臭かった。大体、その平井のことが嫌いだった。嫌いな同級生で、しかも友人でもなんでもない人の母親に対応するのが本当に面倒臭かったんだって。ここで覚えていない振りでもしようかなって、かなり迷ったんだって。
そういえばこの平井の母親は、クラスの行事とかで従姉妹を見かける度にニコニコと声を掛けてきたという。友達の母が挨拶してくるのは分かる。でも平井とは特別仲がいいわけではなかった。
いま思うと気さくな人、なのかもしれないけど従姉妹はこの平井の母に対して苦手意識をもっていたんだと。なんか距離感が近いというか。だから従姉妹は知らない振りを決め込んだ。
ここまで聞いて私は、従姉妹に対して愛想がない子だなって思った。でも同時にただの同級生、しかもその母に対しての感情なんてそんなものなのかなと考えた。

「あの。どちら様でしょうか。」
従姉妹がいかにも誰ですか?という表情で、平井の母に言った。すると平井母は一瞬キョトンした表情になった。でもまたニコニコ顔に戻って、
「やーだ!忘れちゃったのお!?吉彦よ!吉彦!吉彦の母親!」
と大げさなボディーランゲージをした。
まだこの人食い下がるのか。従姉妹は次の言葉を強くはっきりいい放った。
「申し訳ありませんが、人違いではないでしょうか。私は◯◯ではありません」
◯◯ではないと嘘を言ってしまって大丈夫だろうか。内心、従姉妹はビクビクしていた。

そりゃそうだ、従姉妹は覚えやすい顔立ちをしているからさ。そんな嘘通用しないと思ったね私は。
すると平井母はまたキョトンとした顔になった。
「あれ?◯◯ちゃんじゃないの?」
「はい」
従姉妹はキッパリと言った。
これで終わる。流石の従姉妹も最低なことをしていると思ったんだとさ。でも何故かこの人とは関わりたくないと従姉妹は感じた。
すると平井母はまたニコニコと話しだしたのだ。
「んもー!恥ずかしがり屋さんなのは変わらないのね!そうだよねー。うちに遊びに来なかったもんねー。私は何度も吉彦に◯◯ちゃんを呼んでいいのよって言ったのに、吉彦は頑なに◯◯ちゃんを連れて来なかったもんねー。なのにいつの間にか別れちゃってさー。元カレの母親に会って気まずいのも分かるんだけどー。ちょっと冷たいんじゃない?」
従姉妹は耳を疑った。は?
何?なんの話してんの?このおばさん?
元カレ?え?
従姉妹は混乱した。その時何か言い返そうとしたらしいが、どもって言葉に詰まったらしい。
その間にも平井母はマシンガントークをかましていた。今は吉彦も結婚してるのよーとか、吉彦の嫁とは馬が合わないのよーとか何とか言っていたけど、従姉妹は全部聞く余裕がなかった。

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コメント(2)
  • 平井が勘助なのでも母親が妄想したのでもなく、嘘までついて他人のふりした従姉妹にムカついた母親がわざと怖がるような話をしたんだと思う。

    2024/07/11/17:08
  • 同級生だろうが関わりたくない人っている。
    平井氏は嫌なやつだったんだろう。
    それにその母親も覚えていないと言うのに、距離感がバグっているならやっぱり……。距離感が変な人は関わらないのが吉。

    2024/11/10/11:28

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