テレフォンアポインター麗奈の悪夢
投稿者:ねこじろう (147)
それから廊下一番右手前の扉を開き中に入ります。
そこは8帖ほどの部屋で壁沿いにはいくつか事務机が置かれてますから、その前の適当な椅子に着席してから次の指示をお待ち下さい。
それでは、よろしくお願いいたします」
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途中睡魔に襲われた麗奈は左手のウインドウに頭を預けながら、いつの間にか微睡みの泉に浸かってしまった。
ここ最近は生活に対する不安からか、彼女は不眠症気味なのだ。
それからどれくらい経った頃だろう再び車内に響くあのマイクからの男の声で、麗奈は目を覚ます。
「皆様お疲れ様でした。車は目的地に到着しました。
それでは速やかに降りて正面ビルの入口に進んでください」
すると彼女の左手のドアがゆっくりスライドしながら開いた。
麗奈は慌てて降りる。
しばらくすると、数人の女性もぞろぞろ降りてきた。
5、6人くらいだろうか?
辺りは薄暗くてはっきりとは分からないが皆、麗奈と変わらないような年格好に見える。
─ここは一体どこなんだろう?
思いながら彼女は周囲を見回す。
どこか住宅街の一角?それとも商店街?
辺りは暗闇のベールに包まれていて、ほとんど見当もつかなかった。
携帯画面を見ると、時刻はもう深夜零時になろうかとしている。
女性たちは麗奈を先頭に目前のビル入口からぞろぞろ入って行った。
車の中で受けた指示通り彼女らは奥の扉を開き階段で地下一階で降りると、廊下一番手前の扉を開く。
※※※※※※※※※※
そこは言われていたとおり8帖ほどの殺風景なコンクリート剝き出しの部屋だった。
電話📞の相手は、誰だったのだろう。
(ꏿ﹏ꏿ;)