テレフォンアポインター麗奈の悪夢
投稿者:ねこじろう (147)
白のパーカーにジーパンの麗奈は指定された場所に立っていた。
指定された場所、、、
それは彼女の住んでいる市の隣の市中心部から少し外れたローカル駅のロータリー。
そこは麗奈が今まで訪れたこともない小さな駅だった。
改札を出ると彼女は駅前ロータリーの舗道に立つ。
そこは街灯があまり無く人の姿もほとんどないため、辺りは薄暗くシンと静まりかえっていた。
駅前にしては殺風景な景色を彼女がボンヤリ眺めていると、一台の黒い大型のワゴン車がハザードを点滅させながらゆっくり近付き目前に横付けする。
すると助手席のウインドウが下がり、暗闇から「前田麗奈さんですか?」と男の声がする。
彼女が頷くと、後部ドアがゆっくりスライドしながら開いた。
そして「どうぞお乗りください」という男の声。
麗奈は言われるとおり車内に乗り込み一番前の席に座る。
同時に車は動き出した。
運転席と後部座席の間には黒い仕切りパネルがされており、運転手の姿は見えない。
彼女は何気に後ろを振り向いた。
恐らく8人は座れそうな広々とした座席後方には既に何人かの者が座っているようで、皆一様にじっとしていて無言だ。
年格好は分からない。
というのは後部座席のウインドウ全てには黒のフイルムが目張りされていて、車内の暗さは半端ではないからだ。
─これは今から行く場所を特定されないようにするため?
等と彼女が不審に思い前に向き直ると、どこからかマイクからの男の声がする。
「本日は皆様わざわざご足労いただき、ありがとうございます。
これよりお仕事の場所へと移動しますが、その場所は施主様のご希望により極秘となっておりますから、そちらの窓は全て目隠しをさせていただいておりますのでご了承願います。
到着までは約1時間ありますので、その間に本日のお仕事のご説明をさせていただきます。
まず車が到着した後は一切の私語は禁止とさせいただきます。
そこはコンクリート造りの三階建てのビルなのですが、正面入口から入りまして突き当たりにある鉄の扉を開くと階段がありますので、そこから地下一階まで降りてください。
電話📞の相手は、誰だったのだろう。
(ꏿ﹏ꏿ;)