テレフォンアポインター麗奈の悪夢

というのは勤めていたコンビニ弁当工場を３ヶ月前にリストラされ、それから次の職を探していたのだがなかなか決まらずいよいよ僅かな蓄えも尽きて、明日のご飯のことまで心配しないといけない状況にまで陥っていたのだ。

麗奈は目の前の携帯を手にすると、担当の携帯に電話をする。

「あの、バイト雑誌を見て電話してるんですけど」

少し緊張しながら切り出す麗奈に担当の男は

「お電話いただきありがとうございます。

それでは携帯で今から言うサイトのURLから入ってもらって登録お願いいたします。

その後こちらから追ってご連絡いたします」

と言いURLを口頭で伝えた後、切った。

言われるとおり彼女は携帯をネットに繋ぎ、メモしたURLを打ち込むと先方の専用サイトに飛ぶ。

それから名前や性別、携帯番号、そして利用している金融機関の名前や口座番号などの必要事項を入力する。

男からの追っての電話は、それから１時間ほど後にあった。

「前田様、早速の登録ありがとうございます。

それでは今から集合場所の住所をメール致しますが、

ちなみに今度の日曜日ですがご都合はいかがでしょうか？」

麗奈が大丈夫ですと答えると、

男は「それではその場所に午後１１時にお越しください」と言いそのまま切りそうな勢いだったので、彼女は慌てて「あの、服装とか持っていくものとかは？」と尋ねる。

男は「服装は自由で結構です。また特に持参するものもありません。

その他の大事なことはまた現地でご説明致しますので、当日はお待ちしております」と言うとブツリと切った。

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そしてその週の日曜日、午後１０時５５分。