しかも傍らにある乳母車はまるで高い場所から落としたかのように金属のフレームがあちこち捻じ曲がりボロボロである。
中に敷かれた小さな掛け布団の狭間からは、赤ん坊のものらしき手だけがちょこんと出ているのが見えていた。
女は半分飛び出た左眼球で店内をじっと睨んでいる。
それから女は何やらぶつぶつ呟き乳母車を押しながらよろよろと歩き出すと、雨で白く煙る灰色のアスファルトのどこかに消えていった。
小西はそれからも息を殺しながらその場に立ち尽くしていたが、やがてふっと気を取り直す。
そしてレジ台のところまで行きその前に立ち一息つくと、ふと正面奥の柱にある時計に目をやった。
─21時30分か、、あと約30分でオーナーが上から降りてきたらバイト終わりだな。
店のオーナーは店舗の2階に居住しているのだ。
※※※※※※※※※※
すると店内チャイムが鳴り響き一人の女が入ってきた。
女は棚から2リットル入りの紙パック焼酎を取ると歩き進む。そして真っ直ぐズカズカとレジ前に立つと乱暴に紙パックの酒を置いた。
腰まであるパサついた茶髪をソバージュにし上下ピンク色のスエット姿をした、かなり奇抜な見た目のオバチャンだ。
50前後というところか。
彼女は染みだらけのスッピンの顔でにこりともせずに、いきなり一言「28」と言った。
小西は訳が分からず「は?」と聞き返す。
この話は怖かったですか?
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幻覚を見ているんじゃないか
コメントありがとうございます
─ねこじろう
応援してます。
ありがとうございます
─ねこじろう
こっわ!!??
いつも応援しています。
最後に死ね死ね言って引きに来た人だれ?
皆様、コメントに応援をありがとうございます。またご質問ですが、
コンビニ配送のお兄さんが朝、暴走してコンビニ店舗正面ウインドウに突っ込んで、そのままオーナーもろとも棚の間に挟んでアクセルを踏みながら「死ね死ね」と呟いていたのです。
いつの間にか引き込まれて読んでた コンビニの制服姿の幽霊は少しシュールで面白いけど
実質これがグランプリですね。
コメントありがとうございます。
─ねこじろう
実質も何も準大賞ですよw
次は大賞とれるといいですね。
「書籍棚背後にあるショーウィンドウ」とはいったい? なにか飾ってある場所があるのか、どういうつくりのお店なのかわかりませんでした
コメントありがとうございます。
─ねこじろう
こういう話は怖いよりムカつくが先に来ちゃうな。恨むなら本人だけでいい、店長は違うだろ。そして他人の手を借りず自分の力だけで復讐しろよ!巻き込まれて呪いの道具にされた運転手が気の毒過ぎ。
真後ろに来たというのがすごく怖い
怖い
呪いとか恨みとか
そういうのって連鎖するんだね
幽霊が実在するかどうか
それを論点から外したとしても
人の恨みとかって言うのは
怨念として残るとしたら
こういう不思議な事故の連鎖が起きるのもおかしなことでは無いのかもしれない
すごく怖いですね