するとぼさぼさ頭の男が不安げに言う。
「でも、こんなのを体内に住まわせて大丈夫なのかよ?
それとダイエット以前に俺たち自身が栄養失調になって死んじまうのじゃないか?」
「ご質問はごもっともです。
ただ三年ほど前から一万人以上の米国人がこのダイエットワームを体内に住まわせておりますが、肉体的な異常の報告は一件もありません。
またダイエットワームがいくら食欲旺盛といっても全てを平らげることは無理です。
皆さんは最低限生命を維持できるくらいの栄養くらいは補充できます。
しかも彼らの寿命はおよそ三カ月であり、そこそこの体長に成長するとその死骸は自然に対外に排出されます。
ですから彼らがあなた方の身体にずっと居座るということはないのです。
まあそれでも不安だという方、もちろん辞退されるのも結構ですがね。
今ならまだ間に合います。
言うまでもない私ではなくあなた方の大事な体ですからね。
ただこのまま帰られると明日からまた相変わらずの自堕落な毎日が皆さんには待ち受けていますがね、、、」
男性はそう言うとニヤリと笑う。
十名は俯くと黙り込んでしまった。
※※※※※※※※※※
結局十名全員はそれぞれ、ダイエットワームを十匹づつ飲みこむことになった。
そして最後に白衣の男性は次のようなことを言った。
「これで皆さんは一年もしないうちに新しい自分を手に入れることになります。
ただ二点ほど約束していただきたいことがあります。
なに簡単なことです。
一つは帰り際に皆さんそれぞれの全身写真を撮らせてください。
それから今日の夜から毎日それぞれのダイエットの記録を記入していってください。
そして一年後に再びこちらの方に来てもらって全身写真を撮り、ダイエット記録とともに弊社に提出してください。
それからもう一つは、これからもずっと食事は今まで通り毎日三食必ずとるということです。
ダイエットワームの食欲はかなり旺盛ですからね。
三食ですよ!必ずお願いします。
それでは皆さん本日はお疲れ様でした。」
























怖いより、何か悲しい
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─ねこじろう